知っていますか?不動産屋の立場によって変わる仲介手数料

不動産を購入する場合、売却する場合、どちらも物件以外にかかる手数料があります。そのひとつが仲介手数料です。物件価格によって手数料額が決まりますので、必ず払うものと諦めている方も多いかもしれません。

ですが、不動産屋の立場などによって手数料が無料になるケースもあります。どのようなケースで無料になるのか、日本で最も不動産屋の店舗数が多い東京を例にして紹介していきたいと思います。

不動産屋が売主の場合

そもそも、仲介手数料とは誰に支払うべき手数料なのでしょうか。物件を購入したい、売却したいと考えた時、大抵は不動産屋を介して手続きを進めると思います。不動産売買には様々な規定や取り決め、法律などが絡んでくるため、素人同士である売主と買主だけで手続きを進めるのは不安要素が多いからです。売主と買主の仲介に入るのが不動産業者であり、契約が終了するまでの手続きを全面的にサポートしてくれます。その際に、契約が成立した報酬として不動産業者へ支払うのが仲介手数料です。

しかし、その手数料が無料になるケースがあります。まずは不動産屋が物件の売主になっている場合です。不動産会社には、新築や中古を問わず、会社が建物や土地を所有していることがあります。不動産屋自身が売主であれば、間に仲介する人がいなくなるため、手数料を支払わずに済むのです。新築物件であれば不動産業者や関連業者で自ら設計、建築をして所有していたり、中古物件であれば急な引越し等で不動産業者へ全て託して売却したものを、いまだに不動産業者の方で所有していたりと、様々な理由で不動産屋が所有している物件は数多くあります。特に人の移り変わりが多い東京では中古の自社物件が特に多いと言えます。

手数料が無料になるだけでなく、自社物件にはメリットがたくさんあります。自らが建築した新築物件であれば、物件の構造や耐久性、施工法などの正確な情報があるため安心感がありますし、アフターフォローもしっかりしているでしょう。また、直接やり取りできることで、確認作業などが省略できる部分もあるため、通常の取引よりもスムーズに進めることができます。ただし、不動産の専門業者と直接やり取りするため、ある程度の知識を身に付けておいた方が安全かもしれません。

仲介の場合には、仲介手数料は必須

次は、不動産業者ではない、一般の売主がいる場合で説明します。売主自らが買主を見つけることは困難でしょうし、手続きを進めることも難しいでしょう。そのため、不動産業者に間に入ってもらうのです。不動産業者の方では、売却物件をアピールし、買主を探す作業から入り、買主候補者が見つかれば契約に至るまでの仲介業務をサポートしてくれます。契約が終了するまでの手続きは実に手間が掛かりますし、専門的な知識がなければ進められない事項も多くあります。それらを一括で担ってくれるわけですから、仲介業務を買って出てくれた不動産業者へは報酬として仲介手数料を支払う義務が発生するわけです。

ですが、売買契約をする際、仲介してくれる不動産業者が一社だけとは限りません。売主、買主が同じ不動産業者へ依頼すれば一社で済みますが、物件を探している買主候補者が別の不動産屋でお世話になっていて、そこで物件を見つける可能性は大いにあります。例えば、売主がある不動産に依頼をしていて、買主が他の不動産で物件を探していて売主が出している物件を見つけた、という例で説明しましょう。

その際支払う仲介手数料は、売主がA社へ、買主がB社へ、という形になります。あくまでも自分がお世話になった業者への報酬です。滅多にあることではありませんが、時折悪質な業者が両者から手数料を徴収しようとすることもあります。例えば買主が自分を担当してくれたB社へ支払った後に、A社からも請求されるというパターンです。実際には買主とA社の間には仲介業務が発生していないため、支払う義務は一切ありません。知識がないがために二重に支払ってしまった、などという残念な結果にならないように注意しましょう。

売主の代理の場合には、売主との取り決め次第で変わる

不動産売買には、仲介契約の他に代理契約というものがあります。仲介契約では仲介手数料が発生することを前述で説明しましたが、代理契約の場合はどうでしょうか。

まず、仲介と代理の違いから説明したいと思います。不動産売買で最も多いのは仲介契約です。前述でも説明した通り、売主と買主の間に不動産業者が仲介者として中立し、手続きを進める方法です。一般媒介契約、専任媒介契約、専属専任媒介契約の三種類があり、基本的にはどれも仲介手数料が発生します。

それに対して代理契約というものは、不動産会社が売主の代理となって売買を進めることを言います。代理になるというのは具体的にどういうことかと言うと、不動産会社が売主から物件の代理権を得て、売主と同等の立場になる、ということです。売主は売買に関わる全ての手続きを不動産業者へ任せることになるので、物件の代金が入ってくるまで待てばいいという楽な状態で取引できるわけです。逆を言えば、手続きに関して内容や進捗具合など不透明な部分が多かったり、希望の金額より下げられてしまったりというデメリットも発生します。そして買主側にしてみれば不動産会社が売主であるという感覚を持つでしょう。

代理契約の際に仲介手数料はどうなるかと言うと、実際には売主と不動産会社での取り決めにより変わってきます。仲介契約と同様に、買主が通常通り支払うパターンもありますし、買主の手数料が無料になる代わりに売主が不動産会社へ倍支払うというパターンもあります。

買主側にとっては代理契約だろうと仲介契約だろうと、さほど違いはありませんが、売主側の立場であればそれぞれのメリットとデメリットを比較しながら十分に考慮する必要があります。

まとめ

不動産売買の取引が多い東京では、特に不動産会社で交わす契約形態、業者の立場によって支払う手数料に違いがあることを知っておく必要があります。

特に、あまり知られていない代理契約についても知っておいた方がいいでしょう。忙しくてなかなか手続きに時間を取れないという売主には嬉しい契約形態です。ただし、二重に手数料を支払うかもしれないというデメリットがありますので、そちらは事前に必ず確認するようにしましょう。