土地売買の仲介なしで得られるメリット・デメリット

  • 記事公開日:2017/05/22
  • 最終更新日:2021/09/01

初期費用の大部分を占める仲介手数料は大きな出費となるため、抑えられたらと思う人も多いでしょう。不動産会社を利用せずに個人同士で売買を行えば、当然ながら仲介手数料は発生しません。それなら個人売買を、と飛びつくのは早計です。ほとんどの不動産売買は、個人売買ではなく、不動産会社が仲介しています。個人売買の方がお得なのに、なぜ高額な手数料を払って、仲介システムを利用するのでしょうか。

 

土地売買は仲介会社がいなくてもできるのか

土地の売買は、不動産会社が間に立たなくても契約することが可能です。実際に親族間での取引きは頻繁におこなわれており、法的な問題もありません。ところが他人同士の売買は、ほとんど行われていないのが実情です。

個人同士の取引きで、大きなポイントとなるのは不動産知識の有無。大きな金額が動く取引きでは、法律や不動産に関するプロ級の知識が必要となります。また、契約時には膨大な量の事務手続きが必要となるので、これを滞りなく処理する時間と労力も必要です。その上で初めて、個人間の取引きをスムーズに進めることができます。

個人同士の取引きを望むなら、時間をかけて知識と情報を集めて、売り主と買い主の双方の合意を得られる、誠実な契約のための努力が不可欠となるでしょう。

 

仲介なしで行うメリット

最大のメリットは、手数料が必要ないことです。契約時に現金で支払う必要がある手数料は、取引き金額が大きくなればなるほど、手痛い出費となります。親族の間で取引きする場合はほとんどが個人同士となりますが、たいていは見知っている土地を合意に達した金額で売買するので、トラブル等が起こりにくく、スムーズに行うことができます。

他人同士の取引きでは、入念な物件の調査が必要となりますし、ちょっとした行き違いや誤認が大きなトラブルに発展することがあるので、細心の注意を払いながら取引きを進めていきましょう。また、土地に家屋が建っている場合、不動産会社が仲介する物件では消費税がかかりますが、個人の取引きでは消費税が発生しません。

 

仲介なしで行うデメリット

個人でのやり取りでは、かなりの不動産知識を持ち、鑑定眼を養っておかないと、損をしてしまう可能性が高くなります。まず双方とも、取引き相手を自力で探さなければなりません。売り主側では、自分の土地といえどしっかりと調査しなければ、契約後に地下水が原因で地盤沈下を起こしてしまい、契約の解除とともに損害賠償を請求されるようなケースもあります。

買い主側では、途中まで契約を進めていたのに、最終的にローンの審査が通らず、契約不履行で違約金を請求されたりということもあります。何も起こらなければ良いのですが、万が一の事態が起こった時に、自分で責任を負わなければなりません。不動産会社が仲介をすると、そのような問題が起こらないように細かな調査が行われますし、トラブルに発展した時は、責任を持って処理してもらえます。

 

まとめ

高額な初期費用を見ると、つい目先の金額で個人での取引きを選んでしまいたくなりますが、すべてを自己責任で賄うには、かなりのリスクが伴います。どれだけ不動産知識を詰め込んだとしても、長年、その業務に携わってきたプロには敵いません。手数料を掛け捨ての保険だと思って、無理をせずにプロへ任せたほうが、結果的に得とは言わないまでも、損をしないで、理想に近い物件を手に入れることができるでしょう。