東京と地方都市の仲介手数料を比較してみる

不動産の売買や部屋の賃貸の際に支払う仲介手数料。
最近では「半額」や「無料」の不動産会社もあります。この仲介手数料は地域により変わるのか?この疑問を東京と地方都市の比較として検証していきます。また、なぜ地域により「高くなったり、安くなるのか?」の理由についても説明していきます。東京と地方都市の差について知っておきましょう。

東京の仲介手数料事情

最近よく見聞する、「半額」や「無料」という広告。不動産を買いたい人や借りたい人にとっては、大変魅力的な言葉ですが、その裏には東京ならではの仕掛けや事情があり、その裏側をご説明します。まず初めに、簡単なおさらいをしておきましょう。仲介手数料とは、人が不動産を売りたい時、買いたい時、部屋を借りたい時、貸したい時にその双方の間に立ち、双方の要望を調整したり・契約業務などを務める不動産会社に支払う手数料で、不動産会社の主な収入源です。一般的には、その上限は売買の場合「売買代金の3%+6万円+消費税」、賃貸借の場合「家賃の1ヶ月分+消費税」と言われています。

東京では、「半額」や「無料」(物件によっては)とする不動産会社が増えています。なぜ、半額や無料にできるのかというと、一つには東京が日本で最も不動産価格が高いからです。日本一人口密度が高く、2020年の東京オリンピックを控え、外国人投資家も注目している東京の不動産は高騰を続けており億ションも数多く存在します。一物件あたりの単価が高額になれば、仲介手数料も高くなり、値下げの余地が生まれるのです。不動産会社が売主・貸主と直接に契約をしていて買主・借主を見つけると、契約成立の際に売主と買主、貸主と借主の双方から仲介手数料が不動産会社に支払われます、これを不動産業界では“両手”といい金額が2倍になります。

このように高額になる場合などに、買主・借主どちらかの仲介手数料を割り引くことで半額や無料のサービスができるようになります。
また、不動産業界の競争激化で“両手”でなくても企業努力で割り引く不動産会社も存在します。このような仕組みで東京では下落傾向にあります。

地方都市の仲介手数料事情

地方都市の仲介手数料は上限が相場となっている状況です。なぜ上限に近いのかと言えば、一部の地方都市を除いた地方の不動産状況にあります。東京を除いた地方では不動産価格が下落しています、不動産価格が安ければ引き下げることができません。では、地方の不動産価格の状況を説明します。

地方の不動産価格が、下落している理由の一つとして地方の人口減少が挙げられます。人口が減少した上に都市部に流失する、地方の空洞化の問題が進んでいます。少子化傾向で人口が減る上に、若者が都市部へ移り住む傾向は強まっているのです。そうなれば住宅の需要も下がり、需要と供給の関係から住宅の単価、不動産単価も下がり、各取引における上限も下がります。不動産単価が安いために儲けがでにくい、これが仲介手数料を割り引きにくい状況を作り上げています。

また、地方の空洞化の問題として「空き屋問題」もあります。国土交通省では、「空き屋等とは建築物又はこれに附属する工作物であって居住その他の使用がなされていないことが状態であるもの及びその敷地(立木その他の土地に定着する物を含む)をいう」としています。少子高齢化により増え続ける空き屋に国もその対策に乗り出していますが、空き屋の有効利用も難しく住宅の供給率を引き上げるだけだけでなく、倒壊等の危険など不動産としての問題以外が発生しています。

このような状況が地方の不動産の下落を生み、上限の維持に繋がっています。
もちろん、一部の地方都市では「半額」や「無料」のサービスを行っている不動産会社もありますが、まだまだ数少ないが現状です。

東京と地方都市で金額の差はあるのか

前述の通り、東京では株価の上昇やデフレ脱却を目指す「アベノミクス」の成果もありミニバブルとも呼ばれ、不動産価格の高騰が見られます。その反面地方では、以前は物件の安さから投資対象として買われていた不動産も資産価値としての低下が見られ、国も「地方創世」をとなえ地方の空洞化、人口流出に歯止めをかけようとしていますが、なかなかうまくいかず不動産価格の下落を止められない状況があります。東京では不動産価格が高く、地方では不動産価格が安くなれば、一部の地方都市を除き、東京の仲介手数料が安く、地方都市の方が高いという状況が発生しています。つまり、「仲介手数料に差があるのか?」の問いには「ある」が答えになります。

「東京都と地方の二極化」と言われる中、上記のごとく不動産価格にももちろん波及しています。
どの地域にいたとしても、仲介手数料がいくらか決めるのは不動産の価格によります、不動産の価格が上がれば安くなる可能性が生まれ、安くなればその可能性が失われます。
どの地方に限らず、不動産を購入するとき、借りるときに金額が大きいだけに仲介手数料が安いに越したことはありません。
ただし、不動産の購入・部屋を借りるときに仲介手数料だけにとらわれるのはお薦めできません。自分が検討して気に入った物件を購入し、借りることをお薦めします。割引があれば、運が良かったなと考える程度にしておくことです。

なぜなら、一般的には日当たりの良さ・住みたい地域・部屋の間取りなどの自分や家族の住みたい条件の後に仲介手数料の安さを条件とした方が良いからです。

まとめ

いかがでしたか?地方によって差があることがお分かりいただけたかと思います。このように、ミニバブルとも言われる東京の不動産価格の高騰に対して、地方では少子高齢化と都市部への人口流失による空洞化からの不動産価格の下落を受けているのが現状です。東京では、「仲介手数料半額」や「無料」などの低下傾向にあります。それに対して地方では上限維持の傾向が見られます。