仲介手数料無料を謳っている東京の不動産屋に見られる特徴

  • 記事公開日:2017/08/02
  • 最終更新日:2020/01/30

「できれば手数料がかからない不動産屋がいい」「かからなくて済むものなら支払わないで済ませたい」と考えていらっしゃる方も多いことでしょう。不動産自体が高額ですので、それに伴う仲介手数料もかなりのお金がかかりますから、このようにお考えになるのも当然のことと言えます。
では、仲介手数料無料ならば手放しで喜んでよいと言えるのでしょうか?ここでは東京地方で仲介手数料無料とうたっている不動産屋について、詳しくご説明いたします。

東京で仲介手数料を無料にしている不動産屋は存在する?

では、東京で仲介手数料無料にしている不動産屋は実際に存在するのでしょうか?答えはイエスです。仲介手数料を無料というと「なんだか怪しい。何かからくりがあるのでは?」と思われる方もいらっしゃるかもしれません。しかし、からくりはあっても仲介手数料がタダだからと言って怪しい不動産屋だとは言い切れません。
不動産屋が売り主であれば手数料は当然発生しません。また、代理の場合も売り主が合意した場合はタダにすることが可能です。そして、仲介の場合でも手数料を無料にしているところも最近は増えてきました。これは、不動産業界の過当競争にも起因しています。
日本の景気が多少なりとも上向き、また2020年にオリンピックを控えていることもあり、不動産業界は活性化してきています。その競争に勝つためには、手数料をタダにしても自分の会社で買ってもらいたいと考えているのです。ちなみに「不動産仲介手数料無料」というキーワードで検索すると、あちこちの不動産屋がヒットします。
手数料についてチラシには書かれていない場合も、交渉によって手数料が0円になる場合もあるかもしれません。ダメ元で、現在お考えの不動産について一度尋ねてみてはいかがでしょうか?また、仲介の場合は複数の不動産屋が関与している場合もありますから、1社で断られたからと言ってあきらめず、他の会社にもあたってみることをおすすめします。同じ不動産を購入するのであれば、できるだけ手数料はタダの方が良いに決まっています。
では、仲介手数料が無料になる不動産会社をどうやって見つけたらよいのでしょうか?そして、そのような会社の特徴はどんなところにあるのでしょうか?次はそれについて見ていきましょう。

仲介手数料無料の不動産屋に見られる特徴とは

まず東京にある大手の不動産屋が、仲介手数料を0円にしている場合が多いということです。いわゆる億ションと呼ばれるような高額な物件は首都圏に集中しており、大手が参入しているケースが多いからです。また、地方であっても大阪や名古屋、福岡などの大都市にも仲介手数料無料をうたっている大手不動産屋が存在しています。

大手の不動産屋が仲介手数料をタダにできる理由は「資金が豊富だからだろう」と想像がつきますが、大手以外の中規模の不動産屋でも仲介手数料を無料にしているところは多いようです。なぜ仲介手数料を無料にできるかと言えば、例えばチラシの広告費を削る、ウエブサイトの管理を自社で行う。あるいは人件費を削減するなどして、手数料が入らなくても商売が成り立つように努力しているからです。
不動産を買ってもらうためには、その不動産の存在を多くの人に知ってもらわなくてはなりません。そのためには多額の広告費や人件費をかけなくてはなりませんが、それらをできる限り節約して買い主により購入意欲を持ってもらえるような工夫をしているという訳です。一方、地方の小規模な市区町村においては、仲介手数料を0円にしているところはあまり見られないようです。これは、首都圏や大規模都市に比べてニーズが少ないこと、不動産屋の数がそれほど多くないため過当競争が起こらず、手数料をタダにしなくてもお客さんが買ってくれることなどが理由だと考えられます。
このように考えると、首都圏や大規模都市で不動産売買を考えている方にとってはやはり仲介手数料無料は魅力的に感じられます。決して少額ではない手数料がタダになるのですから、手放しで喜びたくなる気持ちも分かります。しかし手数料が0円になるデメリットは全くないと言い切れるのでしょうか。次はそれについてご説明いたします。

契約する側にはメリットだけしかないのか

一見、仲介手数料無料は非常に魅力的に見えますが、実はからくりが存在します。不動産屋だけでなくどの業種でも同じですが、1円でも売り上げは高くしたいもの。多額の手数料が0円になってしまったら、当然それを他で補わなくては売り上げが減ってしまいます。広告費や人件費を削減するだけで補える場合は良いですが、それだけでは補えない場合も多数あります。
特に扱う物件が高額の場合はそれだけ手数料も高額になりますから、チラシの量を減らしたぐらいでは補てんできるものではないでしょう。では、どこから補てんするのか?例えば「弊社と提携している引っ越し業者をご紹介します。」と言って顧客を紹介し、その業者からマージンをもらっていることもあります。この場合は買い主にとってデメリットは特にないかもしれません。
しかし、中には「事務手数料」や中古住宅の場合は「抗菌消毒代」などの名目で請求される場合もあり得ます。要するに仲介手数料無料にした分を他の名目で請求されるケースがあるということです。ですから契約書で不明な項目があったら、その場で確認することが大切です。
また、物件自体の値引き交渉に応じてくれない場合も考えられます。買う側も手数料をタダにしてもらった手前、なかなか値引き交渉は言い出しにくく、言い値で買ってしまうことが考えられます。また、仲介手数料無料を希望している買い主はその物件にかなり興味を持っていることが多いため、「放っておいても買ってくれる」ととらえられがちです。
その結果、通常の売買よりも連絡などの顧客フォローがぞんざいになってしまう可能性もあります。サービス業としてあってはならないことですが、そのようなデメリットもあるということを知っておいて損はないのではないでしょうか。

まとめ

仲介手数料無料の不動産屋は首都圏を中心に増えてきています。しかし中には十分なサービスが受けられなかったり、他の名目で減ってしまった売り上げを買い主が補てんをさせられているケースもあります。もちろん手数料が無料になること自体はメリットですし、全ての不動産屋がそのようなことをしている訳ではありません。ですが、仲介手数料無料にはデメリットも存在していることを頭に入れて、マイホーム探しをすることが賢明だと言えそうです。