敷金や礼金が無料の部屋を借りて大丈夫?

  • 記事公開日:2020/04/29
  • 最終更新日:2020/04/27
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同じ条件であれば、もちろん部屋を借りるときの負担を大幅に抑えることができる「敷金・礼金無料物件」の方がいいわけですが、貸し手からすれば当然それらを無料にすることには理由があります。

ここでは、大事な敷金や礼金が無料になる理由や、優良物件の選び方などを詳しく調べて紹介しているので、現在部屋探しをしている方や、近い将来引越しのご予定がある方は、じっくり読んで後悔のない部屋探しにお役立てください。

敷金・礼金の必要性

アパートやマンションなどの部屋を借りるときには、家賃の他にも様々な費用がかかります。その金額は、借りる物件によっても異なりますが、一般的には家賃の6ヶ月分にもなるとされています。

つまり、家賃が10万円の場合は、契約時に60万円程度のお金が必要となり、この中の大きなウエイトを占めているのが敷金と礼金です。

敷金は、貸主側が万一のときのための補修費用や賃料を担保するために預かるお金で、家賃の滞納もしないで、部屋の内外を傷つけるようなことがなければ、退去時には返金されます。

礼金とは、その字の通りに「お礼の意味」で大家さんに支払われるお金です。古い慣習からきている日本独特の文化であり、礼金は退去時には戻されません。

一昔前は、敷金も礼金も家賃の2ヶ月以上かかるケースも多く見られましたが、最近ではそれぞれ家賃の1ヶ月分、もしくは敷金は2ヶ月分、礼金は1ヶ月分というパターンが多くなっています。

礼金はあくまでも大家さんへのお礼金なので、不要なものともいえますが、賃貸においては部屋を退去するときに原状回復させることが決められており、敷金は何かあった場合の貸主の大切な担保であることから、一般的には必要不可欠なものとなっています。

敷金・礼金無料物件の注意点

賃貸物件を借りるときの初期費用を大幅に抑えることができることから、敷金・礼金無料のゼロゼロ物件を選ぶことには大きなメリットがあります。

しかし、費用があまりかからないからといって安易にそのような物件に引っ越しして、思っていたのと住み心地が違うからといって早期に契約を解除してしまうと、多額の解約違約金が発生してしまうこともあるので気をつけなければいけません。

その他にも、敷金・礼金無料の部屋には、問題物件もありますので、契約を交わす前に不動産会社の説明や、建物に詳しい専門家の意見なども聞いて、内見も丁寧に時間をかけて行い、契約時には賃貸借契約書の特約事項をきちんと理解して、分からないことがあれば必ず不動産会社の担当者に質問して、すべてに納得した上で署名捺印してください。

建物に問題や欠陥がある

自殺した部屋や殺人事件が起きた場合は事故物件となり、貸す側にはその事実を入居者に伝える義務があるので、知らずに重大な問題がある事故物件に住む可能性は極めて低いです。

ただし、築年数が古すぎて基礎や構造体や耐震基準に問題があったり、日当たりが極端に悪いことなどの場合は、気づかないうちに問題や欠陥がある部屋を借りてしまうというケースは良くあります。実際に敷金・礼金無料のゼロゼロ物件は、築年数が古い建物に多く見られます。

敷金・礼金以外で費用が発生している

ゼロゼロ物件は、部屋探しをしている方たちにとってはとても魅力があることから、空き部屋を埋めるためにわざと敷金・礼金を無料にして広告を出す戦法を取る場合もあります。

たとえば、敷金を徴収できない部分をメンテナンス費用という項目で埋めていたり、家賃を高くしてその分を補っているケースもあります。

短期間住む場合は、多少家賃が高くても資金や礼金をゼロに抑えた方がお得かもしれませんが、長く住めば住むほど損をしていくことになるので、その辺の兼ね合いも考えて、周りの同じような条件の物件の家賃相場を調べて、納得した上で契約を結びましょう。

優良物件の見極め方

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最近では敷金・礼金無料の「ゼロゼロ物件」が増えていて、今では便利なインターネットがありますので、ゼロゼロ物件で検索すれば、簡単に多くの物件を見つけられますし、条件を絞り込めば、理想の部屋をピックアップすることもできます。

インターネット上には、多くの不動産サイトがあって、その中から敷金・礼金無料の賃貸物件を特集しているページを探すこともできます。

専用ページでなくても、多くのサイトでは条件を絞れるようになっていて、「敷金・礼金なし」などと書かれた項目にチェックを入れて検索すれば、ゼロゼロ物件だけを表示させることができます。

その他にも、「築年数」「駅前の距離」「間取り」「家賃」「最寄り駅」など、様々な条件に絞って物件探しを行うことが可能です。

ゼロゼロ物件を借りるときに大事なのは築年数

敷金・礼金無料のゼロゼロ物件には築年数が古いものが多いこともあって、部屋を借りるときには「築年数」が大きなポイントになります。

たとえば、1981年以降に建てられた物件だと新耐震基準が採用されていますが、それ以前の建物だと、耐震性能に注意を払う必要が出てきます。

賃貸物件の家賃と築年数には密接な関係があって、基本的には築年数が古くなれば、家賃相場も低くなります。

築年数が古い物件のチェックポイント

どんな建物でも、完成した瞬間から必ず劣化がはじまります。特に、四六時中雨風や紫外線にさらされている外壁や屋根の劣化スピードは早くて、築10年ほど経過すると見た目も性能も確実に衰えてしまいます。

賃貸物件の顔ともいえるエントランスも、掃除が行き届いていないとどんどん見た目が悪くなり、集合ポストに錆びが目立ってきたり、チラシやゴミが散乱していると、実際の築年数以上に古さを感じてしまいます。

キッチンやお風呂場や洗面所やトイレなどの水回りは、設備本体は長持ちしても、部品などの消耗品は定期的に交換しなければいけませんし、水を使用するため、カビも生えやすくなります。

築10年以上経つと、部屋の中の床も劣化し、きしみが発生することがあります。さらに床下の部材が劣化して、床が沈むケースもあります。

築年数が古い物件を借りる際には、自分が望む条件にすべてがマッチしたとしても、契約を結ぶ前に必ずこれらの点を自分の目で確かめて、問題がある場合は他の物件を探した方がいいでしょう。

築年数が古くてもおすすめの物件

築年数が古くても、メンテナンスや清掃が行き届いていたり、フルリフォームが施されていればおすすめ物件となります。

部屋の中に入らなくて、建物の外観や周辺を見て回ると、ゴミや落ち葉がまったくないとか、エントランス周りがキレイでしっかり塗装されているとか、駐輪場の自転車がしっかり整理されているとか、素人でも優良物件かどうかを見分けられる要素はたくさんあります。

フルリフォームされている場合は、構造体に問題がなければ敷金と礼金が無料な分、築浅物件よりもお得になる要素も多く、かなりのおすすめ物件といえるでしょう。

まとめ

敷金や礼金が無料になる理由や、敷金・礼金無料物件のメリットやデメリットを紹介しましたが、耐震基準に問題がなかったり、築年数が古くてもリフォームがされているなど、入居者の希望にマッチした部屋であれば、多少問題があって不人気の物件でも、初期費用を大幅に抑えることができる大きな魅力が、敷金・礼金無料物件にはあります。

不動産会社や、できれば建物に詳しい専門家などのアドバイスを聞いて、事前の内見をしっかり行い、後悔のないお部屋選びをしてください。