東京の仲介手数料無料の不動産屋は安心して利用できるのか

  • 記事公開日:2018/01/29
  • 最終更新日:2020/01/30

不動産売買で出ていく金額は相当なものです。少しでも経費を抑えられれば嬉しいですが、そのことで客側に何かしらのデメリットが発生するのでは、と不安に思う方もいるでしょう。仲介手数料を無料にしてもらったことで、いい加減な対応しかしてもらえなくなるのでは、何か別な要求をされるのでは、と思う方もいるかもしれません。実際はどうなのか、東京の不動産屋を例にいくつか紹介していきたいと思います。

手数料無料でも価格交渉は出来る

不動産売買の取引の中で、価格交渉をしてくる例は少なくありません。いくらかでも安く購入したいという気持ちは誰にでもありますので、自分が売却する立場にある場合はある程度の心構えをしておいた方がいいでしょうし、購入側の立場の際も申し出てみる価値は十分にあります。ですが、仲介手数料を無料にすることで価格交渉はできない、と説明してくる不動産業者が中にはいます。心理的には、手数料をなしにしてもらっているのだから当然なのかも、と思い込んでしまいがちですが、手数料の件と価格交渉は全く別の案件になります。全ての物件が価格交渉が可能だというわけではありません。築年数や立地条件、間取りなどから人気の高い物件は、強気の価格を表示して絶対にそこから値引きしないというような案件も中にはありますし、売り主さんの方で価格交渉には応じないと決めている場合もあります。

ですが、手数料が無料なことと価格交渉は無関係です。仲介手数料があろうがなかろうが、売り主にも買い主にも関係がないことだからです。仲介手数料は不動産会社へ入るお金です。手数料がない代わりにこれ以上の値引きはできません、と説明してくるような業者であれば、「その理由はおかしい」という旨を堂々と伝えていいと思います。他にも、手数料がない代わりに受けられないサービスがあるという説明をしたり、何らかの手抜きをしようとする業者もいるかもしれません。仲介手数料を無料にすることで、客側に発生するデメリットや不動産業者が手を抜いていいという規定等は一切ありません。手数料がなくなることで、何らかのデメリットがあるという説明をしてくる営業担当者は実際にいます。こちら側に知識がなければ鵜呑みにしてしまうところですが、価格交渉やその他のサービス削減などには一切関係がないということを頭に入れておきましょう。

仲介責任の有無は手数料の有無とは関係ない

販売競争が激しい東京地区では、不動産会社が様々な思考を凝らして物件の売り込み等を行っています。手数料がタダになるという旨を広告にして掲げている業者は珍しくありません。ですが、手数料のことで不動産業者としての業務に手抜きがあったり、省略事項が発生することは決してないということは先程も説明しました。不動産を仲介する立場にある業者はしっかりと果たすべき業務の責任があります。

具体的には不動産業者にはどのような責任が課せられているのでしょうか。そもそも不動産に関する取引を素人同士で行うことには危険が伴います。法律や税金関連のトラブルや、専門知識がないために発生するリスクなど、避けられない危険に陥る可能性が十分に考えられます。そのために存在するのが、売り主と買い主の仲介をする不動産業者です。売り主にも買い主にもトラブルがなく、適正な判断で取引が完了するように促すのが不動産業者の役割、責任です。スムーズな取引になるように、素人では分からないような物件の細かいところまでを調査したり、調査結果をきちんと説明する義務があります。そして取引の手順説明や、不動産に関する重要事項を説明する義務等もあります。

それらは不動産業界で取るべき責任として課せられている業務のひとつです。不十分な調査、不十分な説明をした結果こそが大きなトラブルへと繋がってしまいます。仲介手数料が無料になることで、不動産業者が負うべき責任、業務を放棄していい理由には、当然のことながらなりません。万が一、調査内容や説明を受けた内容が簡潔すぎたり、不安を感じるようなことがあれば遠慮せずに質問しましょう。適切な調査をするために、仲介手数料とは別に調査に関する事務手数料を徴収している業者もありますので、その辺りの確認も事前にしておいてもいいかもしれません。

手数料は無料でもアフターサービスはしっかりしている

物件を購入した場合も、売却した場合も、後に何らかの欠陥を見つけたりトラブルがある場合は十分に考えられます。その際は業者の方であったり、売り主側の方でケアをする必要が出てきます。いわゆるアフターサービスです。ですが、こちらのサービスを仲介手数料を無料にすることで省略を促してくるような不動産業者が存在します。今までの説明でも紹介している通り、仲介手数料がなくなることと、サービスの有無は関係がありません。アフターサービスに関してももちろんそうです。

では、具体的に物件引き渡し後のアフターサービスにはどのようなものが含まれるのかを見ていきましょう。まず、不動産取引をする上で覚えておくべき用語があります。瑕疵担保責任という言葉です。瑕疵担保責任とは、物件の欠陥を引き渡し後に買い主が見つけ、且つその欠陥が引き渡し前から生じていたもの、買い主が引き渡し後に手を加えて生じた欠陥ではないことが判明した場合に、売り主側に補償責任が発生するというものです。買い主が瑕疵を見つけてから一年以内であれば、売り主に損害賠償を請求することができますし、不動産契約の解除をすることもできる法律です。

不動産業者で担うアフターサービスとは、瑕疵担保責任の有無に関わらず、物件の欠陥や不具合を補修するという内容です。具体的な補修範囲や、サービスが受けられる期間等は業者によって定められているのでそれぞれ確認が必要ですが、ほとんどの不動産会社が実施しています。物件の取引中は無事に取引が完了することだけに気を取られがちですが、アフターサービスの有無は非常に重要です。仲介手数料が無料であっても、きちんとしたアフターサービスが受けられるのか、どのような内容で受けられるのか、などを事前に確認しておくことをおすすめします。

まとめ

仲介手数料が無料であるがために、不動産業者の方で省略できるサービスや業務はほぼないと思ってください。見返りなどなく、純粋に無料にしている業者は他にもたくさんあります。交換条件として提案してくるような業者はこちらからお断りしてもいいくらいですが、その前に知識があれば正当にサービスが受けられるかもしれません。是非覚えておきましょう。