仲介手数料無料のデメリットはある?

  • 記事公開日:2021/04/05
  • 最終更新日:2021/09/01
仲介手数料無料のデメリットはある?

仲介手数料は不動産会社の主な収入源であるにも関わらず、「仲介手数料無料」のケースが存在するのはなぜなのでしょうか。
「仲介手数料が無料だと取引に手を抜かれるのでは?」と考える方も少なくないと思います。
当記事では、仲介手数料無料の仕組みと、手数料無料サービスを行っている不動産会社を選ぶデメリットを解説します。

そもそも仲介手数料とは

仲介手数料=成功報酬

不動産会社は契約が成立しないと仲介手数料を請求することができません。
そうだとすると「仲介手数料無料」では、契約に手を抜かれるのではないかと考えてしまうかもしれません。
しかし、手を抜いた結果、契約に結びつかなければ、不動産会社はこれまで行ってきた物件案内や契約書作成などのコストがタダ働きになってしまうのです。
したがって、「仲介手数料無料」だからといって、手を抜いた取引をされるということは考えにくいと言えます。

仲介手数料には上限がある

不動産会社が請求できる仲介手数料には上限があり、宅建業法でその額が定められています。

売買契約時の仲介手数料

売買契約時の仲介手数料

賃貸契約時の仲介手数料

賃貸契約時の仲介手数料の上限は、家賃の1ヶ月分(+消費税)です。
貸主・借主、それぞれから受け取る仲介手数料は原則賃料の0.5ヶ月分ですが、宅建業法では依頼者からの承諾があれば、どちらか一方から1ヶ月分以内の仲介手数料を受け取ることができることになっています。

仲介手数料が無料になる仕組み

不動産会社にとって大きな収入源である仲介手数料を無料としているケースがあるのはなぜなのでしょうか。仕組みを解説していきます。

売主(貸主)にのみ仲介手数料を請求している

ある物件に対して、売主・買主(または貸主・借主)、両方の仲介を一つの不動産会社が担当することを、両手取引といいます。
両手取引の場合、両方から報酬を受領することができますが、このうちの片方の報酬を手放す場合に「仲介手数料無料」のケースが発生します。
片方の報酬を手放す理由としては、物件の早期契約につながること、不動産会社の評判が上がることが考えられます。
売主(貸主)からは「あの不動産会社はすぐに買主(借主)を見つけてくれる」、買主(借主)からは「あの不動産会社は仲介手数料が無料、初期費用を抑えられる」とプラスの評判がつくことで集客につながります。片方から報酬を得ることができない分、不動産会社は数をこなして利益を増やして行かなければなりませんが、不動産会社にとっても「仲介手数料無料」はデメリットだけではないのです。
また、特に高額な不動産取引の場合は、片方の報酬を手放すことにしても、不動産会社は十分な利益を得ることができるので「仲介手数料無料」のケースが発生しやすいといえます。

売主(貸主)が不動産会社である(2パターン)

売主が不動産会社である場合も仲介手数料無料になります。なお、2パターンあります。

物件の持ち主が担当の不動産会社である場合

売主(貸主)自身が不動産会社である場合、「仲介」ではなく「売買」の契約形態になります。つまり、仲介手数料は発生しません。
この場合は一見魅力的に思えますが、仲介手数料が発生しない分、不動産会社はその物件を売らないと利益にならないので、押し売りや他の物件との比較を行うことができなくなる可能性もあります。

物件の持ち主が他の不動産会社である場合

この場合、契約形態は「仲介」となりますが、売主(貸主)の不動産会社から仲介手数料をもらえるので、買主(借主)からはもらわないというケースが多々発生します。理由としては早期契約のためで、前述で記述した売主(貸主)にのみ仲介手数料を請求するパターンと同じになります。

企業努力

不動産会社の企業努力で「仲介手数料無料」としているケースもあります。

例えば、他社の不動産会社で契約しそうな顧客を呼び込んで、売主からの仲介手数料だけでももらいたいという”他社競合”のパターンや、買主が売買代金を価格交渉していたが、売主側の主張が通った場合に買主の仲介手数料を無料として契約してもらう”価格交渉”のパターンなどです。
仲介手数料は成功報酬なので、いままで動いてきた分、片方だけでも利益を得たいと考える不動産会社は世の中にたくさん存在します。

仲介手数料無料の不動産会社を選ぶデメリット

前述で、仲介手数料は成功報酬であるので、無料であるからといって不動産会社が手を抜くとは考えにくいと記述しました。
しかし、本来発生するお金が無料となるわけなので、多少なりともデメリットが発生する可能性があります。
ここでは、「仲介手数料無料」の不動産会社を選んだ場合に考えられるデメリットを列挙します。

別の手数料として請求されることがある

鍵交換費・室内クリーニング代など、契約書に見慣れない請求があった場合は、不動産会社に確認の連絡をしましょう。世の中には悪い不動産会社も存在するので、「仲介手数料無料」として顧客を呼び込み、その報酬をどこかで賄おうと、本来支払う必要のない費用を請求してくる可能性があります。不明な費用を請求されている場合は必ず確認を取ることをおすすめします。必要なものであれば問題ありませんが、不要なサービスであればきちんと費用請求を断りましょう。

売買代金に仲介手数料が含まれている

「仲介手数料無料」と謳っておきながら、仲介手数料分を売買代金に上乗せしているケースも考えられます。物件の相場を知り、正当な売買価格で取引を行うためにも、複数の不動産会社に見積もりを依頼し、比較することが重要です。

細かなサービスを受けることができなくなる

仲介手数料は、契約書作成や物件案内・アフターフォローなどを含んだ不動産会社の成功報酬です。そのため、不動産会社は報酬を貰っている側により細かいサービスを提供する可能性が考えられます。
細かな部分の説明もせずに契約書にサインを迫るケースもあるようなので、一つ一つ確実に確認していきましょう。
もし、「仲介手数料が無料であるから、適当に取引されるのではないか」「相手側に有利な契約になるのではないか」と心配になる方は、例え「仲介手数料無料」の不動産会社が存在したとしても、他の不動産会社に仲介を依頼して、安心料として手数料を支払って取引するのも一つの手と言えます。

まとめ

「仲介手数料無料」であるからといって、必ずしもデメリットがあるとは限りません。むしろ、顧客にとってはメリットの方が多いかもしれません。
しかし、世の中には悪い不動産会社が存在しているのも事実です。思わぬ不利益を受けないためにも、売買契約書・重要事項説明書をよく読み、不明点があれば不動産会社に説明を求めるようにしましょう。