東京23区で一戸建てを購入する際におすすめの地域と特徴

  • 記事公開日:2022/03/17
  • 最終更新日:2022/03/10
東京23区一戸建て

東京23区の住まいというとマンションのイメージが強いですが、一戸建てを購入することも可能です。
それでも、他の地域と比較すると土地の価格が高く高層ビルが多くて一戸建てには向かない地域も多いので、理想の住まいを見つけるためにはポイントをおさえておくことが大切です。
この記事では、東京23区で一戸建てをお探しの方のために、東京23区で一戸建てを探すときのポイントとおすすめの地域をご紹介いたします。

 

東京23区で一戸建てを選ぶときのポイント

一戸建てに限らず住まいを選ぶときはさまざまなチェックポイントがありますが、ここでは東京23区で一戸建てを選ぶときにチェックしておきたいポイントをご紹介いたします。おもなチェックポイントは次の4つです。

土地の価格

住まいを選ぶポイントはいろいろあり、その優先順位はご自身で決めることがなによりも大切です。
しかし、どんなに気に入った物件でも資金がなくては購入することができません。
住宅ローンを組んでも、返済が滞ればマイホームを手放さなくてはいけないので、まずは予算を決めておくことをおすすめします。

国土交通省の令和3年度住宅経済関連データの「一住宅当たり延べ床面積の都道府県比較」では東京の65.9㎡と全国でもっとも狭いので、少しでも広い一戸建てを購入するのであれば、地価の安いエリアで住まいを探したほうがよいでしょう。

参考:国土交通省

生活利便施設の充実度

生活利便性施設とは、スーパーやコンビニエンスストア、銀行、郵便局、病院など生活になくてはならない施設のことで、人によっては図書館やスポーツジムなども必要になるでしょう。
一戸建てを探すときは自分にとっての生活利便性施設を明確にして、周辺にある施設をチェックすることが大切です。

東京はどこの地域も栄えていますが、おしゃれなレストランやブティックなどが立ち並んでいても、スーパーやドラッグストアなど生活に必要な施設が見つけづらいところもあります。
一戸建てを見つけるときは、観光スポットにもなるような人気の商業施設があるところよりも、生活利便性施設が充実しているエリアを選ぶほうが、よりメリットが多いです。

周辺の治安

一戸建てを購入する世帯は子どもがいるファミリー層が多いので、周辺の治安も重要なポイントになります。
治安の善し悪しは警視庁がホームページで発表している「区市町村の町丁別、罪種別及び手口別認知件数」を参考にするとよいです。

ただし、地域の治安は実際に見てみないと分からないですし、時間帯や曜日によっても異なります。
住宅地は静かで住みやすい反面、夜の人通りが少なく、街灯が少ないエリアでは夜道が危険な場合もあります。

気に入った土地や一戸建てが見つかったら、購入前には必ず確認するべきことがあります。
それは、交番からの距離や街灯の有無などの確認や、「ひったくり注意!」や「痴漢に気を付けよう!」などの地域の看板やポスターの有無などです。
街の雰囲気は昼と夜でも大きく変わります。
地域の情報を得るため曜日や時間帯を変えて実際に出向いて行き自分の目でしっかりチェックしておくと安心です。

交通のアクセス

地方と比べれば東京23区は交通機関が充実していますが、それでも地域によっては交通の便が悪いところもあります。とくに、一戸建てが購入できるような閑静な住宅街は交通が不便なところも少なくありません。

例えば、自然が豊かで一戸建ても多い世田谷区は道端が狭いところが多く、区全体の20%が「公共交通不便地域」と呼ばれる交通のアクセスが悪い地域となっています。在宅勤務や自営業の方はよいですが、会社勤めの方や子どもが私立の学校へ通っている場合は、交通のアクセスも必ずチェックしましょう。

 

土地の安い地域は何区?23区の住宅地の地価を知ろう

2021年最新公示価格での23区の地価ランキングは次のとおりです。いちばん高い千代田区の地価はいちばん安い足立区の地価の約9倍の価格と、23区内でも地価はかなり違います。23区で一戸建てのために120㎡の土地を買う場合、2021年最新公示価格から計算すると、足立区では3769万2,000円、文京区なら1億1920万8,000円となります。

第23位:足立区(31万4100円/㎡)
第22位:葛飾区(32万1300円/㎡)
第21位:江戸川区(36万1400円/㎡)
第20位:練馬区(39万1000円/㎡)
第19位:板橋区(42万9600円/㎡)
第18位:墨田区(43万6700円/㎡)
第17位:江東区(47万8600円/㎡)
第16位:荒川区(50万5300円/㎡)
第15位:大田区(52万6400円/㎡)
第14位:北区(52万7500円/㎡)
第13位:杉並区(53万8500円/㎡)
第12位:中野区(59万5600円/㎡)
第11位:豊島区(62万9300円/㎡)
第10位:世田谷区(63万3800円/㎡)
第9位:新宿区(79万9600円/㎡)
第8位:品川区(84万4700円/㎡)
第7位:台東区(91万2700円/㎡)
第6位:目黒区(95万4600円/㎡)
第5位:文京区(99万3400円/㎡)
第4位:中央区(128万9200円/㎡)
第3位:渋谷区(130万6000円/㎡)
第2位:港区(202万9000円/㎡)
第1位:千代田区(276万2900円/㎡)

土地を購入すると毎年固定資産税を払うことになりますが、固定資産税額は地価をもとに算出されます。土地の安いエリアに一戸建てを購入すれば、固定資産税を安くできるだけでなく、その分土地を広くしたり建物のグレードを上げたりして好みのデザインに仕上げることも可能です。

一戸建てを購入する際は、地価、固定資産税、建築費用、中古住宅の場合はリフォーム費用などを考慮し、どのエリアに一戸建てを購入するか検討してみるとよいです。

参考:国土交通省

 

東京23区で一戸建てを購入するならここ!おすすめの3エリア

マイホームを無理なく購入できる価格も目安は年収の5倍といわれていています。
国税庁がおこなった「令和2年分 民間給与実態統計調査」では給与所得者の平均年収は433万円だったので、平均的な共働きの家庭の場合マイホームの価格は4,330万円ぐらいとなります。

ここでは、中流家庭の共働きの夫婦が無理なく一戸建て購入できるおすすめのエリアを3つご紹介いたします。

江戸川区

江戸川区は東京都の東部に位置し、2022年2月1日現在の世帯数345,391、人口688,911人(男346,838人、女342,073人)です。江戸川区をおすすめするおもな理由は次の3つです。

自然が豊かな環境で公園も多い

東京23区内でも自然豊かな地域で公園面積は、東京23区内でダントツ1位です。環境のよいところで生活したり子育てをしたりしたいなら、江戸川区がたいへんおすすめです。

公園といっても街なかにある小さな公園ではなく、施設が完備されアスレチックやバーベキューなどが楽しめる大型の公園が多くあります。よく知られている江戸川区の公園は次の3つです。

・葛西臨海公園
5つのゾーンに分かれた大型公園で、敷地内には「水族館」「鳥類園」「大観覧車」などがあります。
駅からも近いので、車がなくても利用しやすいです。
住所:東京都江戸川区臨海町6-6

 

・総合レクリエーション公園
全長3㎞にも及ぶ広々とした公園で、西エリアと東エリアに分かれていています。
西エリアには遊具や噴水、恐竜のオブジェがあり、東エリアではアスレチックやお花見が楽しめ、とくに約55品種10,000株もあるツツジは圧巻の美しさです。
住所:東京都江戸川区西葛西6-11〜南葛西7-3

 

・なぎさポニーランド
小学6年生以下の子どもは無料でポニーに乗馬できます。
新型コロナウイルス感染症対策で一部サービスが中止していますが、ポニーとヤギとふれあったり、ポニーにニンジンをあげたりすることもできます。
住所:東京都江戸川区南葛西7-3

 

ファミリー層が多い

ベッドタウンとして発展した江戸川区にはファミリー向けの物件が多いためファミリー層が多く、スーパーや大型商業施設などの生活利便施設が充実していて生活しやすいです。

子育てには悩みがつきものですから、ファミリー層が多ければ子育ての相談もしやすく、子どもたちも同世代の友達がたくさんできて楽しく生活できるでしょう。
他にも江戸川区では子育て支援事業への取り組みも盛んで、食事支援ボランティア派遣事業の「おうち食堂」や子育ての支援が必要な家庭へお手伝いを行う「おとなりさん」事業など、多くの支援を行っています。

東京、新宿、渋谷へ一本で行ける

江戸川区には、「JR総武線」「地下鉄新宿線」「地下鉄東西線」「京成本線」が乗り入れていて、東京、新宿、渋谷などの主要駅へは約30分でいくことができ通勤に便利です。
千葉や埼玉、神奈川へのアクセスがいいので週末のお出かけもしやすいのはファミリーにとってメリットではないでしょうか。
また、成田空港へのアクセスもよいので海外出張が多い人や海外旅行が好きな方にもおすすめです。

足立区

足立区は東京の北東部に位置し埼玉県と隣接しています。2022年2月1日現在の世帯数は359,658、人口は688,441人(男344,493、女343,948人)です。足立区をおすすめするおもな理由は次の3つです。

暮らしやすいと感じている人が多い

2020年8月におこなわれた「足立区政に関する世論調査」では、「暮らしやすい」もしくは「どちらかといえば暮らしやすい」と回答した人の割合が全体の82.4%でした。さらに78.4%の人が「ずっと住み続けたい」「当分は住みたい」と答えているので、かんたんに買い替えができない一戸建て購入するエリアとしてはぴったりといえるでしょう。

2008年からは地域住民と警察署などが連携して「ビューティフル・ウィンドウズ運動」を実施しており、2020年には刑法犯認知件数が戦後最小にまで減少し、治安もかなりよくなっています。

参考:足立区政に関する世論調査

ユニークは子育て支援でママをサポート

23区内でもっとも地価が安いので広々とした住まいで子育てができる足立区ですが、ユニークな子育て支援があり子育てのサポートも受けられます。足立区で実施されているおもな子育て支援は次のとおりです。

・子ども預かり・送迎支援事業
5対象:小学生まで
一時保育するサービスで必要なときいつでもきてくれます。

 

・きかせて子育て訪問事業
サポーターが自宅にまできてくれて、子育ての悩みや愚痴を聞いてくれます。

 

・産前・産後家事支援事業
産前6週間から産後(退院後)の1カ月間、妊産婦がいる家庭の家事全般(食事や買い物など)の援助が受けられる制度です。

 
詳しくは足立区公式サイトをご確認ください。
育児を応援します

物価が安い

23区内でも物価の価格はかなり違います。有名デパートの野菜や果物の価格に驚かれた方も多いのではないでしょうか。足立区は過去に実施した「23区住民が選ぶ物価の安い区ベスト10」というアンケートで1位に選ばれています。

食べ盛りのお子さんがいる家庭では毎月の食費のやりくりに苦労されることもありますが、足立区なら物価が安いので子育てもしやすいでしょう。

葛飾区

東京の東部に位置し、埼玉県と千葉県に隣接しています。
2022年3月1日現在の、世帯数は239,607、人口461,685人(男232,237人 女231,448人)です。

商店街が充実している

型量販店や大型スーパーは商品も多く、沢山の商品に出逢える場所ではありますが、馴染みの店という感覚はありません。商店街にはそれぞれ専門の店が立ち並び、その道のプロがいるので、商品を購入するだけではない体験がうまれ、情報やアドバイスをもらえたりします。八百屋で見つけた旬の野菜や珍しい果物、その美味しい食べ方など、困ったときはとても頼りになります。歴史ある老舗のお店も多く、プレミア率20%のお得な葛飾区共通商品券もあるので、毎日の買い物も楽しいです。

葛飾区の商店街の情報は、葛飾区商店街連合会で確認することができます。

参考:葛飾区商店街連合会

子育て支援の数が多い

葛飾区は子育て支援が充実していて、子育てがしやすい地域としても評判が高いです。葛飾区が実施している子育て支援は葛飾区公式サイトで確認できますが、ここでは3つピックアップしてご紹介いたします。

・マタニティパスの交付
区内の妊婦さんには、5,500円分がすでにチャージしてある交通系IC(カードマタニティパス)が交付されます。

 

・多子世帯の保育料減免制度
子どもがたくさんいる家庭は、必要要件を満たせば保育料が無料または最大50%減額されます。

 

・家庭的保育(保育ママ)事業
保育士や教員など資格がある区民が、施設ではなく自宅などで子どもを預かる制度です。
料金は住民税によって異なります。

 
上記にあげたもの以外に多くの支援活動がありますので、ぜひ参考サイトをご覧ください。

参考:葛飾区公式サイト かつしか子育てサイト(子育てにやさしいまち)

治安が比較的よい

今回は一戸建ての価格を優先して「足立区」「江戸川区」「葛飾区」をご紹介しておりますが、周囲の治安を一番に重視して住まい探しをしている方には「葛飾区」がおすすめです。2021年の「区市町村の町丁別、罪種別及び手口別認知件数」の総数は3区のなかでもっとも少ないです。葛飾区は治安が比較的よいので安心して生活できます。

葛飾区:2,290
足立区:3,212
江戸川区:3,369

参考:2021年の「区市町村の町丁別、罪種別及び手口別認知件数」の総数

 

まとめ

一戸建てはプライバシーを守りやすく、子どもをのびのびと育てられ、庭があればお庭でガーデニングを楽しめるなどの多くのメリットがあります。
東京23区の一戸建ては価格が高いですが、自然が豊かで一戸建てが購入しやすい地域も数多くあります。
東京23区でマイホームをお探しの方はここでご紹介した情報を参考にしていただき、住まい探しを成功させてください。