不動産売却する流れと不動産売却を成功させるためのポイント

  • 記事公開日:2017/06/21
  • 最終更新日:2022/11/23

不動産売却をするのは一生で何回もあることではないですから、初めて不動産を売却する方のなかには、不動産の売却が問題なくできるか不安に感じている方も多いのではないでしょうか。
手間がかかりそう、難しそうに見える不動産売却は、相続した不動産でも、住み替えでの売却でも、不動産売却の基本的な流れは一緒です。
今回は、初めての方も分かりやすいように、仲介の流れと買取の流れを詳しく解説していきます。

不動産売却をする前に知っておきたいこと

不動産を売却すると決めたら、まずは不動産会社に相談と思われる方も多いかもしれませんが、不動産会社に行く前に知っておきたいことがいくつかあります。
不動産売却の流れをご説明する前に、不動産売却で知っておきたいことを3つご紹介いたします。

仲介と買取の違い

不動産売却方法には「仲介」と「買取」があります。
「仲介」と「買取」にはそれぞれメリットとデメリットがあるので、不動産売却を成功させるためには「仲介」と「買取」の違いをしっかりと理解し、自分に合った売却方法を選ぶことが何よりも重要です。
ここでは、「仲介」と「買取」の違いをご説明いたします。

仲介

不動産会社と媒介契約を結び、不動産会社の仲介で買主を見つけ、不動産を売却する方法です。
買主がみつかるまで、不動産会社が販促活動を行なってくれ、より高く売るにはどうしたらいいかなどの相談もできます。
仲介を行なう不動産業者は多いので、信頼できる業者を選ぶことが重要。

【仲介のメリット】

  • うまく売却できれば多くの利益が見込める。
  • 不動産仲介業者の数は多いので、自分に合った不動産業者が見つけやすい。

【仲介のデメリット】

  • 売却できる保証はなく売れ残る可能性がある。
  • 仲介手数料が発生する。
  • 築古の物件は売却しづらい。

買取

不動産会社に直接不動産を買い取ってもらう売却方法です。
なかなか不動産が売れない、早く現金化したいという方におすすめ。
ただし、売却価格は「仲介」の場合よりも下がる傾向にありますので、注意が必要です。

【買取のメリット】

  • 販売活動が不要なので不動産をすぐに現金化できる
  • 仲介手数料が不要
  • 買い手が見つけづらい物件も売却しやすい
  • 契約不適合責任が免責になる(次項で詳しく解説)

【買取のデメリット】

  • 売却額が市場価格の7割から8割程度になる。
  • 不動産買取を依頼できる不動産業者が少ない。

不動産売却額の相場

不動産会社に査定を依頼しても、不動産売却額の相場を知らないと、その査定額が高いのか安いのか判断することはできません。

不動産会社のなかには媒介契約を結びたいがために、市場価格よりも高い査定額を出すところもあります。
不動産査定額はあくまでも「このぐらいの価格であれば売却できる」という目安に過ぎないので、高額査定が出たからといって、その売却額で売却できるという意味ではないのです。

悪徳な不動産会社に騙されないためにも、複数の不動産会社に不動産査定を依頼し、事前に必ず不動産売却額の相場を調べておきましょう。

不動産価格には複数の種類がありますが、不動産査定を依頼する前に調べるのは「実勢価格」。

実勢価格とは成約価格のことで、実際に取引された金額で、 国土交通省の 「土地総合情報システム」で調べることが可能です。
「土地総合情報システム」で、近隣周辺にある同じような条件の物件の売却額を調べれば、不動産売却額の相場を知ることができます。

不動産売却にかかる費用

不動産を売却する際には、下記の費用が必要です。

  • 仲介手数料
  • 各種税金
  • 抵当権抹消費用(残債がある場合)
  • 住宅ローン返済手数料など

不動産売却にかかる費用のことを考えずに売り出し価格を考えてしまうと、思うように利益が上げられず、住み替えの場合は住み替え費用の準備に影響することもあります。

下記の記事を参考にしていただき、不動産売却にどのぐらいの費用がかかるか把握しておきましょう。


不動産売却で生じる契約不適合責任

「契約不適合責任」とは、売却した不動産が契約内容と違っている場合に、売主が負わなくてはならない責任のことです。
契約不適合となるのは、例えば売却後に、雨漏りがしたり、シロアリが発生していたりした場合です。
事故物件であることを事前に告知しない場合にも、契約不適合責任が問われます。

瑕疵担保責任との違いは、買主が雨漏りやシロアリなどの物件も問題点を把握できていたかどうか。
注意を払っていれば発見できたであろう物件の瑕疵が売却後に発見された場合、または契約書に「雨漏りはない」と明記していたのにもかかわらず雨漏りが起きた場合に「契約不適合責任」が適用されます。

売却した物件が契約不適合とみなされた場合、買主は売主に対して「追完請求」「代金減額請求」「契約解除」「損害賠償請求」の手段を行えます。

古い物件は売却後に問題が発生する可能性が高いので、インスペクションを行ない物件に問題ないかを調べることで、後々のトラブルを防ぐことが可能。
もしくは、「契約不適合責任」が免責になる不動産買取での売却がおすすめです。

仲介による不動産売却の流れ

まずは、仲介による不動産売却の大まかな流れと、各ステップでのポイントをご説明いたします。
なお、不動産売却に必要な書類については下記を参考にしてください。

不動産査定を依頼し不動産会社を選ぶ

インターネットで簡単に不動産会社は見つけることは可能ですが、知名度や口コミだけで選ぶことは避け、必ず不動産査定を依頼してから不動産業者を選んでください。
その理由は、売却額の目安が分かるだけでなく、不動産業者のサービスの良し悪しや担当者の対応を確認することができるからです。

不動産査定には「机上査定」と「訪問査定」がありますが、より正確な査定額を知りたい場合は住まいを実際に見てから査定額を出す「訪問査定」を依頼しましょう。

媒介契約を結ぶ

媒介契約には、「専属専任媒介契約」「専任媒介契約」「一般媒介契約」があり、いずれかひとつを選択し、契約を締結します。
どの契約を結ぶかで、受けられるサポートの質に差がでたり、契約できる不動産会社の数に差がでたりすますので、3つの媒介契約の違いを知って、契約結びましょう。

媒介契約のそれぞれの違いについては、以下のサイトをご参照ください。

売出し価格を決める

不動産会社より査定額を提示されていても、最終的に売り出し価格を決めるのは不動産会社ではなく売主です。
売り出し価格を決めるルールはないので、希望の価格を設定することが可能。

立地条件にもよりますが、 だからといって、あまりにも高い売り出し価格を設定すると、買主を見つけるのは難しく売れ残る可能性が高くなります。
査定額とは「この価格であれば売れるであろう」という金額の目安なので、査定額を参考にして売り出し価格を決めることも大切です。

また、不動産売買は値引き交渉がつきものなので、値引き交渉行き交渉をすることを前提として、少し高めに設定しておくことも重要ポイント。

販売活動を開始する

販売活動とは、買主を見つけるための宣伝活動のこと。
販売活動は不動産業者が行うことなので、売主は特に何もする必要はありません。

販売活動の仕方には以下のようなものがあります。

  • レインズ(不動産流通機構が運営しているネットワークシステム)に登録
  • 自社のホームページに掲載する
  • 店頭にポスターを張ったり、資料を置いたりする
  • 顧客のダイレクトメールを送る
  • 新聞や広告チラシで宣伝する
  • 各家庭に直接ポスティングする
  • 住宅情報雑誌に掲載する
  • ポータルサイトに掲載する

内覧の受け入れと価格交渉

広告や宣伝を見て購入したいという人が現れたら、実際に不動産を見てもらいます。

これを内覧の受け入れと言います。
内覧の受け入れでは、購入希望者から住まいに関する質問がなされるので、事前に回答を準備しておくことが重要です。

よく聞かれるのが、「不動産を売却する理由」です。
躊躇したり曖昧な答えをしたりすると、事故物件なのかと勘違いされる可能性もあるので、ご注意ください。

離婚やローンの滞納など個人的な理由を説明する必要はありませんが、 嘘をつくのはよくありません。
「両親と暮らすことにした」「コンパクトな住まいに住み替える」 など、事実のみを回答すれば詳細なプライベートを話す必要がなくなります。

また、近隣住民とのトラブルなど、どこまで話をしたらいいか分からない場合は不動産会社に事前に相談し、聞かれた場合にどう答えるべきか相談しておくと当日スムーズな対応が可能。

不動産売却では価格交渉がつきもので、内覧の際にいわれることも多いです。
購入希望者と直接価格交渉をすることも可能ですが、不動産会社の担当者に任せることもできます。

売買契約を締結する

不動産売買の条件に双方が同意したら、売買契約を締結します。

売買契約書に瑕疵情報が抜けていると、後日トラブルになりかねませんので、売買契約締結前に、不動産会社と売主との間で打ち合わせを行ない、内容に不備や漏れがないかをしっかりと確認することが一般的です。
その間に、不動産会社は買主の住宅ローンの事前審査をしたり、必要書類取得を買主に依頼したりします。

不動産会社が「重要事項」の説明をしたら、売買契約書に署名と捺印し、手付金を受け取ったら売買契約締結は完了です。

決算と物件の引き渡し

不動産の引き渡しは、契約を締結してから2ヶ月~3ヶ月後に行うことが一般的です。
通常、不動産の引き渡しは決算日と同じ日に行うので、決算をしてから不動産の引き渡しという流れになります。

買取での不動産売却の流れ

次に、買取で不動産を売却する際の流れについてご説明いたします。
不動産会社と直接やり取りするだけなので、買取に必要な手続きは、仲介と比較すると格段に少ないです。
なるべく早期に売却手続きを完了させたい場合は必要書類を確認しておき、準備をしておきましょう。

査定を依頼し不動産会社を選ぶ

不動産買取を行っている不動産業者に不動産査定を依頼します。
不動産買取では仲介のように価格交渉をすることはなく、不動産会社が提示した査定額がそのまま売却額となります。

不動産買取を依頼する場合は、できるだけ多くの不動産会社に査定を依頼し、査定額が一番高い不動産業者を選べばよいと考えがちです。

しかし、不動産買取業者のなかには悪徳業者もいるので、不動産査定額が市場価格より著しく高いところは避ける方が無難でしょう。不動産業者選びは慎重に行なってください。

売買契約を締結する

不動産会社が提示する査定額に納得できたら、引渡し条件や引き渡すまでのスケジュール、入金日などを確認します。
すべての確認が済んだら、不動産売買の契約を締結します。

決算と不動産の引き渡し

不動産買取での不動産の引き渡しは、早ければ契約を締結してから数日、遅くても1週間以内に行います。
不動産と書類各種を不動産会社に引き渡し、売却額の入金を確認したら不動産買取の手続きはすべて完了です。

不動産売却を成功させるためのポイント

「不動産買取」よりも高く売却できる「仲介」ですが、残念ながら売却できる保証がなく、うまく売却できないと売れ残ってしまう可能性もあります。
不動産は売れ残ると値下げを余儀なくされ、市場価格より安い価格で売却しなくてはならないこともあるので注意が必要です。

不動産売却を成功させるために特に注意したい点は、次の3つです。

  • 実績のある不動産会社を選ぶ
  • 不動産会社に任せっきりにしない
  • 人気のエリアなら一般媒介契約を選ぶ

実績のある不動産会社を選ぶ

不動産売却の成否は不動産会社で決まるといわれているぐらいなので、不動産会社選びは慎重に行なってください。

不動産会社にはそれぞれ得意分野があり、仲介で売却するなら「仲介での売却の実績が多い不動産会社」、 買取で売却するなら「高額買取の実績がある不動産会社」を選ぶのがポイントです。

不動産売却の実績は各不動産会社のホームページで確認することができますが、実際に利用した方の口コミ情報も参考になります。

実績のある不動産会社を選んでも担当者との相性が悪かったり、 期待していたほどのサービスが受けられなかったりすることもあります。
担当者の変更を依頼するか、契約を解除し他の不動産会社を探すことも検討しましょう。

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不動産会社に任せっきりにしない

実績のある不動産会社が見つかったからといって、すべてを任せきりにするのはよくありません。
不動産会社のなかには「囲い込み」といって、他の不動産会社が売買契約をすることを邪魔したり、販売活動を積極的に行わないで売れ残ったら安く買い取ったりする悪徳業者もいます。
そういった意味でも、信頼できる不動産会社を見つけることがとても大切なのです。

どういった販促活動をしているのかなど、定期的に連絡をしてくれるどうかは、信頼できる不動産会社かどうかの1つの基準にできます。
媒介契約を結んだからあとは不動産会社が全てやってくれるという姿勢ではなく、ちょっとでも気になることがあれば不動産会社に相談・確認をしてみましょう。

人気のエリアなら一般媒介契約を選ぶ

都心にある物件や人気のあるエリアにある物件は需要が高いため、比較的買い手を見つけやすいです。
そのため、専任契約や専任媒介契約を締結してしまうと、せっかくのチャンスを見逃してしまう可能性があります。

地方で買い手が見つからないエリアにある不動産を売却する際は、専任媒介契約や専属専任媒介契約の方が有利なこともありますが、人気のエリアなら一般媒介契約を選ぶようにしましょう。

媒介契約の期間は3ヶ月以上が一般的ですが、法令上の定めはないため媒介契約はいつでも解約できるのが通常です。
よりよい条件で購入してくれる買主を見つけたい方は、契約を一度解約され再度一般媒介契約を結ばれることをおすすめします。

まとめ

今回は不動産売却の流れを簡単にご説明しましたが、これ以外にも不動産売却に書類の準備、不動産を売却して利益が出た場合には確定申告も必要です。

相続した不動産を売却するのであれば良いですが、住み替えをする場合は、新しい住まいを見つけ引っ越しも必要なので、できるだけ早期に売却したいもの。

仲介での不動産売却は3ヶ月~6ヶ月かかることが多いです。
初めて不動産売却をする方は、不動産売却の流れを十分理解し、スケジュールを立てて余裕をもって準備して、不動産売却をぜひ成功させてください。