東京の不動産売買で仲介手数料はいつ支払えばいいのか

  • 記事公開日:2017/08/10
  • 最終更新日:2021/04/01

仲介手数料について、あなたはどれくらいのことをご存知でしょうか。様々な手数料の中でも、仲介手数料はかなりの高額に上ります。それだけに支払のタイミングは大切です。
もし誤ったタイミングで支払ってしまった場合、思わぬトラブルに巻き込まれてしまう可能性おあるのです。支払わなくてはならないお金ならば、正しいタイミングで気持ちよく支払いたいもの。ここではそれらについて詳しく見ていくことにしましょう。

仲介手数料は成功報酬であることを理解する

まず押さえておきたいのは、仲介手数料はあくまで成功報酬であるということです。つまり、売買契約が成立しなければ一切支払う必要はありません。もしも契約の前に手数料の支払いを求めてくる業者がいたら、悪質な業者か相当取引に関する知識のない業者であると考えて間違いありません。万が一そのようなケースに遭遇した場合には、はっきりと拒否するようにしてください。契約を交わさないことが大切です。
成功報酬である以上は、取引が成立しなければそもそも発生はしません。それを契約もしていないのに請求してくるのは、間違いなく違法な行為です。こちらが素人であるからと足元を見透かしてくる悪質な業者も皆無だとは言い切れません。
それを「お世話になったから」とか「いずれ支払わなくてはならないのだから」などと考えて、支払ってしまったらどうなるでしょう。極端な話をすれば、そのお金を持ち逃げして業者が姿をくらましてしまうこともあり得るのです。さらに、「この前のお金は、売買が成立していないので、仲介手数料とはみなせません。
ですから、契約時に手数料を全額支払ってください」などと言い出す業者もいないとも限らないのです。お世話になった業者には、言葉でお礼を伝えるだけで十分です。間違っても契約していない段階で支払ってしまうことのないように注意してください。
また、宅地建物取引業の免許を持っていない不動産屋が仲介手数料を請求することも法律で禁じられています。少しでも怪しい点があったら一人で抱え込まずに、周囲の人や不動産の専門家に相談することも大切です。今はネットでも気軽に相談できます。時間がない方はネットを活用されると良いでしょう。

基本は契約されたときに支払う

では、仲介手数料の支払いのタイミングとはいつなのでしょうか。仲介手数料は、契約成立時に支払うのが本来のタイミングだと言われています。売り主と買い主の双方が書面で記名捺印を交わした段階で、売買は成立します。この時に仲介手数料を請求する権利が不動産屋に生じるわけです。ですから、仲介手数料無料をうたっている業者は別として、この時点で仲介手数料を請求することは違法ではありません。
しかし、何らかの事情によってその場で支払えない場合もあるかもしれません。そこでもし支払いを伸ばしてもらったとしても、違法にはなりません。契約が成立していても物件の引き渡しはその後ですから、厳密に言えば成功報酬を支払う必要はないのです。もちろん、業者によっては渋い顔をするかもしれませんが、きちんと支払う意思を見せればそれほどもめることは少ないでしょう。
めったにないケースですが、契約時に全額支払ってしまって、その直後に不動産屋が倒産するというリスクもゼロとは言い切れません。念には念を入れたいという方は、物件の引き渡し時に支払う旨をきちんと伝えておきましょう。
しかし、不動産屋に請求権があるのも事実ですので、不要なトラブルを避けたいという方は、契約時に支払ってしまう方が気が楽だということもあるかもしれません。また、不動産屋が懇意にしている近所の会社や長い付き合いの会社だった場合は、今後の円満なお付き合いを考えて、契約時に全額支払ってしまう方が良い場合もあるでしょう。
このように支払いのタイミングはその人の状況や考え方にもより様々ですので、事前にしっかりと不動産屋に確認して、こちらの意志をきちんと伝えておくことをおすすめします。

その他にも支払うタイミングはあるのか

では、その他の支払いのタイミングはいつなのでしょうか。それは、物件の引き渡し時です。仲介手数料は成功報酬ですから、厳密に言えば契約時ではなく、物件が買い主の手に渡ったときが本来のタイミングと言えるでしょう。しかし、現在日本では契約時と引き渡し時の2回に分けて支払うケースがとても多いようです。
これは法律で定められているわけではありません。いわばこれは不動産業界の慣例ともいうべきものです。若い営業マンの中にはなぜ2回に分けて支払うのか理由もわからないまま、当然のように請求してくる人もいます。しかし、もし2回に分けて支払うのが嫌な場合は、はっきりと意志を表示することが大切です。
また、半分支払った段階で業者が夜逃げしてしまったらどうしようと心配な方も、物件の引き渡しの段階で全額支払う方が安心でしょう。しかし、さすがに物件の引き渡し時にも支払わないということは、仲介手数料無料をうたっている不動産屋との売買以外はできません。
また、そのほかにも手数料を銀行内で不動産屋に支払うケースもあります。どういうことかというと、住宅ローンの審査が通り、決済がされた段階で支払う場合もあるということです。
このように仲介手数料の支払いに関しては色々なタイミングがありますので、契約の前に支払いのタイミングについて不動産屋や売買の相手とよく確認しておく必要があると言えるでしょう。
また、売買が何らかの理由によって白紙撤回になったり、住宅ローンの審査が通らなかったりした場合は、不動産屋は支払われた仲介手数料を全額返金しなければなりません。しかし、買い主あるいは売り主に契約解除につながる落ち度があった場合には、戻ってこない可能性もあります。

まとめ

仲介手数料の性質や支払いのタイミングについて、お分かりいただけましたでしょうか?不動産の売買には高額なお金が動きますから、売り主、買い主ともに無用なトラブルを避け、気持ちよく取引したいものです。そのためには双方が仲介手数料についてあらかじめ確認し、いつ支払えばよいのかを調べておく必要があるでしょう。一生に一度の高額な買い物である皆さまの不動産売買が、トラブルなく無事に終了することを祈念しております。