東京の不動産屋で仲介手数料無料のところが増えているワケ

  • 記事公開日:2018/01/31
  • 最終更新日:2020/01/30

日本で一番不動産業者と店舗の数が多いと言われている東京ですが、仲介手数料を無料にしている業者が増えてきているため、ますます都内は激戦区になりつつあります。なぜ都内でそのような不動産業者が増えてきているのでしょうか。そもそもなぜ無料で提供できているのでしょうか。手数料をなくすことで会社には不都合がないのか、様々な疑問点を解消すべく調べていきましょう。

仲介手数料はなぜ無料に出来るのか?

仲介手数料が無料になる仕組みについて簡単に説明します。仲介業者は買い主と売り主の両方から手数料を徴収するのではなく、どちらか片方から徴収することでもう片方の手数料を無料にすることができます。主に売り主側から徴収することが多く、物件を購入する側が無料にしてもらえることがほとんどです。仲介手数料が無料、というサービスは買い主さん側に向けたものだと言えます。ですので、不動産会社としては通常よりも半分の金額しかもらえないということで完全に無償になるわけではないのです。東京の物件価格は全国で一番高いので手数料もそれなりにもらえるはずです。

あまり問題がないように思えますが、それでもやはり半額になってしまうのは多少の痛手を感じるでしょう。手数料が半分になることで、不動産会社はどのように穴埋めしているのでしょうか。まずは、他の企業と変わらないことですが、経費削減対策は必ず取っているでしょう。人件費を最小限に抑えたり、社内で使用しているOA機器や事務用品費、通信費や光熱費など、意外にも経費は色々な場面で掛かっています。

そして、不動産会社が一番経費を掛けているのは広告費用ではないでしょうか。大手であればコマーシャルなどは毎日目にしますし、駅や電車などの公共の場にポスターやチラシを見ることもよくあります。それらの宣伝費用、広告費用を抑えることは大幅なコストダウンに繋がります。広告がなくとも、今は口コミやSNSなどで十分に会社のアピールができる時代です。その分、お客様へのサービス向上のために日々奮闘してくれている会社の方が、何となく好感が持てます。仲介手数料を無料にしてくれている会社の方が信頼性も高いかもしれません。

競合他社の多い地域では、仲介手数料無料のところが増える!?

全国にはたくさんの不動産会社の店舗がありますが、実は田舎ほど手数料をしっかりと徴収する傾向にあります。なぜなら、田舎では他に競合する店舗も少ないため、客側が条件を飲まざるを得ないという状況だからです。確かに、近くに店舗がひとつしかなければそこに頼るしかありませんし、言われた通りにしなければ売却も購入もできないと思いがちです。本当は客側から交渉する権利などはあるのですが、知識がなければ術がありませんし、田舎の不動産会社というものは地元密着型で運営しているところが多いので、馴染みで曖昧にしている部分も多いかもしれません。

それに比較して東京都内はいくつもの店舗が軒を連ね、ちょっと気を緩めればすぐ隣の店舗にお客さんを持って行かれてしまうかもしれません。客側も選択肢がいくつもあるため、一番条件の良い会社を最終的に選ぶでしょう。東京の不動産会社は皆必死なのです。競争相手が周りに多い分、他にはないようなサービス内容や、客が喜ぶような営業展開を常に探さなければいけません。そんな中で当たり前のようにサービス内容に盛り込まれているのが、仲介手数料を無料にするというサービスなのです。

東京都内で特に競合が激しい地域では珍しいことではありません。会社や店舗が多い地域では、物件を売却する際も購入する際も、一社に留まらずまずは何社かの話を聞いて、それぞれ比較してみることから進めるのが賢い売買方法です。都会は物件自体が高かったり、十分な広さを確保できていない物件などが多く、なかなか理想通りの物件にめぐり会うことが困難だと言われていますが、様々な不満を解消すべく不動産会社で働く人々はがんばってくれています。きっち条件に合う物件を見つけてくれるでしょう。

仲介手数料無料のところでも、サービスレベルは変わらない

仲介手数料が無料になることで、不動産会社側があまり親身に対応してくれなくなるのでは、対応を後回しにされてしまうのでは、などと不安に思う方もいるかもしれません。確かに報酬が減るのであれば、心理的にやる気がなくなっても仕方がないのかな、と心配してしまいます。ですが、そのようなことはありません。不動産会社の社員が行う仲介業務は様々な法律を定められており、物件調査や重要事項の説明、諸々の手続きの案内などは義務付けられているのです。

どれかひとつでも手を抜いたり怠ってしまったら、後に万が一トラブルが起きてしまった場合等の責任は不動産会社が取らなければいけません。客側の方で、そんな説明は聞いていない、照明する書類ももらっていない、ということが分かれば大問題になってしまいます。それだけ不動産に携わる業務は責任が重く、手を抜いていい箇所はどこにも存在しないのです。ですので安心してサービスが受けられますし、他の人たちと何も変わらないので遠慮なく質問などもぶつけてください。

前述でも触れましたが、仲介手数料を無料にしている会社は、都会の激戦区に多いため、サービス内容の質や接客対応にも気を付けているところが多いのです。何かしらの不満をお客様に与えてしまっては、すぐ他社に持って行かれてしまう恐れがあるからです。不動産とは言え、取引するには人と人との関わりが生じます。物件自体は気に入っていても、営業マンとの相性やサービスの内容によって左右されることもあるでしょう。それらを踏まえた上で、あからさまに態度が悪い担当者や、わざと業務を怠るような社員はほぼいないと思いますので、サービスレベルや対応に関する心配はする必要がありません。

まとめ

東京などの都会の不動産会社に仲介手数料無料のサービスが多い理由は、やはり他社との競合があるからです。手数料も普通に請求され、独自のサービスや価格交渉もできないような会社では次第に霞んでいってしまうことが明白だからです。業界に生き残るためのサービスなので、客側に何らかのペナルティーやデメリットが生じることはまずありません。安心して利用しましょう。