不動産仲介会社でよく起こるトラブルやクレームは?対処法と安心できる不動産の選び方を解説

  • 記事公開日:2022/05/27
  • 最終更新日:2022/06/24

大きな買い物である「不動産」ですが、聞いたことがないような言葉や、よく分からない点も多くあると思いますので不安はつきものです。
今回は実際にあったトラブルをご紹介していきますので、自分の身に降りかかる前に事前に対策していきましょう。
不動産売買に関しては、知っておくと安心なことが多くあります。分かりやすくご紹介していきますので、不安に思う方は是非参考にしてみてください。

目次

不動産を売買する際に起こりやすいトラブル

ここでは実際に不動産を売買する際に起こったトラブルを実例に、注意点や対処法をご紹介していきたいと思います。
まずは買い手側のトラブルをご紹介していきますので、是非参考にしてみてください。

買い手側のトラブル

不動産に対して知識がある方もいれば、何もかも分からず不安…という方も多いと思います。
不動産を販売しているいわゆる「売り手」側に搾取されないためにも、ある程度の知識や、知っておいた方が良いことをきちんと把握しておくということが重要です。

契約時にきちんとした説明を受けていない

不動産を契約する際に行われる「重要事項説明」ですが、これには告知義務があり、それに違反してしまうとトラブルを引き起こす原因になってしまいます。
「重要事項説明」では書面に記名押印し、売り手側である不動産会社などがその書面を渡した上、口頭で説明しなくてはいけません。
その内容は広い上に細かく、説明する側も大変かもしれませんが、説明不足の場合「告知義務違反」となり、その後トラブルに発展してしまう可能性があります。
買い手側が、説明を受ける際「なんだか駆け足だな?」「説明不足だな?」と感じたら、不動産会社にすぐさま質問するようにしましょう。

仲介手数料に上限があることを説明されない

不動産会社から不動産を購入する際、支払うのが「仲介手数料」です。賃貸でも発生してくる手数料のため「聞いたことがある!」という方も多いのではないでしょうか。
実はこの「仲介手数料」が落とし穴。
通常、仲介手数料には上限額というものが決められていて、これを超える金額を請求することはできないのです。
しかし、稀に悪徳な不動産会社が、上限を超えた額の仲介手数料を請求したり、仲介手数料に含まれるべき費用を別の項目で請求したりすることがあります。
後ほど詳しく説明します。もしも、契約書の仲介手数料の金額に少しでも疑問を抱いたら、すぐに質問するようにしましょう。
中には仲介手数料の詳しい説明を省く不動産会社も存在しますので、この項目は注意深く見ておく必要があります。
そして最近多いのが「仲介手数料無料!」を大々的に謳っておきながら、実は「コンサル料」などと名目し、別の項目で高額な手数料を請求するケース。
これはかなり悪徳なため「仲介手数料無料!」という言葉に引っ張られず「何か怪しい項目はないかな?」「これは何に対する費用なのか」としっかりと明細を確認することが重要です。

売買における、仲介手数料に関するトラブルの対処法


仲介手数料に関するトラブルについてより詳細に解説している記事もございますので是非ご覧ください。

物件購入後、説明されていない欠陥が見つかった

気に入った物件を購入したにも関わらず、説明されていない欠陥が見つかってしまったというトラブルもあります。
雨漏りや家の傾き、シロアリなどの被害は「欠陥住宅」と呼ばれるものに該当し、簡単には直せないため、事前にしっかりと告知されているのかどうかがとても重要です。
しかし、売り手側のミス、または隠蔽により欠陥が見つかってしまった場合はどのようにしたらいいのでしょうか。
新築物件の場合は、物件引渡し後2年間、雨漏りなどの建物の構造上の部分の問題に対しては10年間、売り手はこれらに対し責任を負う義務があるという制度があるので、買い手側は手厚く守られています。
しかし、中古物件の場合は注意が必要です。後ほど詳しくご紹介していきたいと思います。

売り手側のトラブル

次に、売り手側のミスや確認不足で発生したトラブルの実例を見ていきましょう。
売り手側は確認することや、定めなければいけないことがたくさんあるため、見落としが多くなりがちです。
買い手側も契約書を結ぶ前、または物件が譲渡される前に見落としがないか、確認することが大切です。

土地の境界線を隣地の人と決めていなかった

隣地の人との境界線をきちんと定めることは売り手側の責任です。
売り手には境界線を明示する義務があります。売却前に隣地の方から境界線の確定を得ていないと、後々大きな問題になってしまいます。
そうならないためにも売り手と買い手、そして隣地の間で事前に境界線の確認を行うことが大切です。
3者で「3者立ち合いのもと境界線の確認を行ったこと」を境界線の確認書の代わりにする「合意書」を記載し、締結しましょう。
不動産の売買は、売却前に境界線が確定していることが基本です。
売り手側、隣地の住人はきちんと合意書を締結してくれるのか、立ち会えるのかなど事前に確認しておきましょう。

土地に地下埋設物が残っていた

土地の地下に埋設物が残っている場合にもトラブルの原因になります。
埋設物は地下に取り残されたコンクリートの一部であったりする場合が多いです。
「地下室をそのまま埋め戻していた」という場合もあるようですが、地上から見ただけでは地下に何があるかどうかは分かりません。
そのため、売り手側がきちんと告知する義務があります。きちんと告知しないまま売却し、のちに埋設物が発見された場合、買い手側は損害賠償責任を請求することができます。
契約解除の請求もできますので、もし購入後、地下埋設物が見つかることがあれば、何かしらの対処ができることを覚えておくと良いでしょう。

雨漏りなどの欠陥を告知書に記載していなかった

告知書とは、売り手側が買い手側に対して不動産の状況を示す書面です。
不動産会社によって様々な形式のものがありますが、大まかな枠組みは統一されており、その中でも「雨漏り」の項目は必須です。
雨漏りがあるかないかだけでなく、かつてに雨漏りがあったことやいつ修繕したのかなどの詳細を書く必要がありますが、ここを省いてしまうと、後々大きなトラブルになってしまう可能性があります。
「昔すぎて覚えていない」ということは通用せず、売り手側が責任を持って記入することが必要です。
もし引渡し後に雨漏りなどの欠陥を発見してしまった場合はどのようにしたらいいのでしょうか。
こちらも後ほど対処法を詳しくご紹介していきますので、是非参考にしてください。

買い手が必要としていたエアコンを外してしまった

中古物件を購入する際、元々ついていたエアコンやガスコンロをそのまま使用したいという場合があると思います。
これは買い手側が告知することで、各設備を手に入れることができます。
しかし、買い手側がきちんと告知したにも関わらず、売り手が勝手に外してしまったとあれば、トラブルに繋がりかねません。
売り手側は「設備表」という書類に、設備に関して詳細を記入する義務があります。
この「設備表」では、設備があるのかないのか、または撤去するのかしないのか、不具合はあるのかないのかといった様々なことを一挙に記載します。
不動産会社が記載することもありますが、ミスの原因となるため売り手が記載することが1番でしょう。
買い手は引渡しの際、きちんと設備表と実際の様子が合っているのがどうか確認することで、後々のトラブルを防ぐことができます。

日当たりが悪いなどの悪条件を記載しなかった

一生涯住む家ですから、周囲の環境はとても大切だと考える人が多いのではないでしょうか。
眺めがいい・日当たりがいい・騒がしくないなどを条件に土地や家を探す人も多いと思います。
中古物件を購入した場合、売り手側がそのような周囲環境を嘘なく告げているのかどうか確かめることが大切です。
売り手がすでにその環境に慣れてしまっている場合「環境が悪い」と告知することはないのかもしれませんが、買い手側にとっては不快な要素があった場合、後々トラブルの原因になってしまいます。
実は近くに墓地があった、暴力団の組織があった、大型車両がよく出入りする場所だったなど、後々トラブルとなる原因は様々です。
売り手側は嘘なく詳細を告知することはもちろんですが、買い手側も事前に周囲環境をある程度確認しておくことでトラブルを防ぐことができます。

買い手・売り手それぞれのトラブルへの対処法

次にこのような様々なトラブルが起こってしまった場合、どのような対処法を取ればいいのか、その対処法を詳しくご紹介していきたいと思います。
予期せぬトラブルが起これば焦ってしまうことも無理はないですが、ここで対処法を知ることで少しは安心できるのではないでしょうか。

買い手側のトラブルへの対処法

まずは買い手側のトラブルの対処法をご紹介していきます。
もちろんトラブルが起きないのが1番ですが、トラブルが起きてしまった後も焦らず対処していきましょう。

仲介手数料には上限があることを知っておく

仲介手数料には上限額が決まっています。
売買価格が200万円以下だと、その仲介手数料は売却価格×5%×1.1(消費税)になっています。
つまり、100万円の物件を購入した場合の仲介手数料は54,000円になるというわけです。
200万円以上〜400万円未満だと(売却価格×4%+2万円)×1.1(消費税)、そして400万円以上は売却価格×3%+6万円)×1.1(消費税)と決まっています。
契約書の仲介手数料の欄の金額が正しいのかどうか、一度この計算式に当てはめ確認してみるといいかもしれません。
仲介手数料の知識をつけておくことが、自身の身を守ることにつながります。
最近では仲介手数料無料を謳う不動産会社もかなり増えましたが、違う名目で余計な手数料を支払っている可能性もありますので、用途不明な手数料を取られていたら説明を求めるようにしましょう。

合意書や立ち合いなどをして現状の確認をする

売り手側がきちんと全てを告知しているのかは、なかなか確認が取れないものです。
土地の境界に対しては、3者(売り手・買い手・隣人)立ち合いのもと合意書を交わす必要があり、また、告知書や設備書で欠陥箇所を正式に形に残しておくことができます。
もし何かあった際は、各書面を元に不動産会社や売り手に請求できることを覚えておくといいでしょう。

損害賠償を請求できることを覚えておく

不動産を購入した後に、重大な欠陥や説明不足が見つかった場合、損害賠償や契約解除を請求することができます。
この点については2020年4月に新しい法制度が適応されており、損害賠償を請求できるほか「追完請求」と呼ばれる、新たに買い手側の権利が追加されました。
この「追完請求」とは、購入した不動産に欠陥が見つかった場合、その種類や品質に応じて、目的物の補修、代替物の引き渡しを行うことができます。
買い手側は、法で守られているということを覚えておくといいでしょう。

売り手側のトラブルへの対処法

次に売り手側が原因のトラブルへの対処法をご紹介していきます。
売り手側の不手際で起こってしまったトラブルは防ぎようがないと思いがちですが、事前に買い手側の方で確認することで、トラブルを防ぐことが可能です。

売買契約書で契約不適合責任の免責条件を設けている

売買契約書で「契約不適合責任の免責条件」を設けているかどうかを確認しておきましょう。
契約不適合責任の免責条件とは、売却後に発覚した欠陥などに対し、一部または全額を免責する条件を定めたものです。
しかし、この条件は一生涯ではないため注意が必要。
通常はその責任期間を3ヶ月に設定しているところが多く、買い手が3ヶ月を過ぎてから欠陥を発見した場合、売り手は責任を負わなくてもいいことになってしまいます。
そのため、早期の欠陥の発見が重要になってきますが、ここで1つポイントがあります。
欠陥などを売り手側が知っていながら告知していなかった場合、不適合責任を免れないことになっているのです。
元々あった欠陥であるということを証明できさえすれば、買い手側はいつでも請求できるということを覚えておきましょう。

不利益になることも包み隠さず告知しているか

売り手側の気持ちとしては、不動産を売却する際に不利益になることはなかなか記載したくないものです。
そのため売り手側が合意書・設備表など、各種書類にきちんと嘘なく記載し、形に残るものとして用意してくれているかをきちんと確認しておきましょう。
不利益になることも包み隠さず告知してくれているかどうかは確認しづらいところですので、特に不安な点は現地を見せてもらうなど、少し手間ですが自身で行動し目でみておくことで安心できます。
設備表の確認は時間がかかるものですが、「動作確認をしているか」などの項目をきちんと記載しているかどうかは、特に注意して確認しておくといいでしょう。

既存売買瑕疵保険を付保してくれているか

既存売買瑕疵保険とは、買い手が欠陥などを発見した場合、その修繕費用を最大1,000万円まで保証金でカバーできる保険です。
この保険が付いていると、売り手自身が気づけなかった欠陥も保険金でカバーすることができます。
売り手と買い手、両方が安心できる保険のため、既存売買瑕疵保険が付いているかどうかは確認しておきましょう。
特に築年数が古い不動産や、木造の物件はこの保険が適応されているかどうか、確認しましょう。

安心できる不動産会社を選ぼう!

安心できる不動産会社に売買を依頼することが一番いいですが、安心できる不動産会社とはなんなのでしょうか。
ここでは押さえておきたいポイントをご紹介していきたいと思いますので、是非不動産会社選びの参考にしてみてください。

仲介手数料無料に積極的な東京の売買不動産20選


当サイトでおすすめの仲介手数料無料の不動産をランキングで紹介しています。

安心できるポイント①宅地建物取引業の免許が2回以上更新されている

不動産の仲介を行う会社が必ず取得している「宅地建物取引業の免許」ですが、この免許を確認することでその不動産会社がどれくらいの年数不動産に携わっているか確認することができます。
国土交通省(1)、東京都知事(3)など注目すべきはカッコ内の数字。
これは宅地建物取引業の免許を何回更新したかを示しています。
この免許は通常5年間有効で、(3)と記載されているのであれば10年以上営業していることがわかります。
長く営業しているからいい会社だと安易にはいえないかもしれませんが、不動産業は次々と廃業していく廃業率が高い職種でもあります。
まして家を購入するとなれば、その不動産会社とも長い付き合いになることは必須。営業年数が長い不動産会社を選ぶことで、安心感を得ることができます。

安心できるポイント②要望をきちんとヒアリングしてくれる

一方的に話すのではなく、きちんとこちら側の要望を聞こうとしてくれる営業の担当者は安心できますよね。
不動産は条件の幅が広く、実は買い手側である本人も「何が重要なのか」わかっていない場合が多いです。
そこを踏まえつつ話を聞きながら、要望を拾い上げてくれるような方が担当者であれば安心できること間違いなしです。
申込書の内容だけでなく、しっかりと話を聞いてくれる営業の担当者を探しましょう。

安心できるポイント③デメリットも正直に話してくれる

不動産を買って欲しい売り手側は、積極的にデメリットを話さない傾向にありますが、正直に「ここはちょっと気になるかもしれません」など細かいデメリットも話してくれる売り手側、営業の担当者は信用できると考えていいでしょう。
一見「デメリットばかりだな」と、買う気が失せてしまうかもしれませんが、正直に話してくれるということはこの上なく安心できるポイントです。
不動産はノルマがあるところも多いため、買って欲しい気持ちが強くあるのが当たり前ですが、それを差し引いても買い手側の気持ちを尊重してくれる方は意外と貴重です。
日当たりや騒音などはやはり売り手側の意見が重要ですし、デメリットもきちんと話してくれるのがいい売り手、営業マンだということを覚えておくといいでしょう。

安心できるポイント④契約を急がない

「ここで決めてくれたらこれだけ値引きしますよ」などといった誘い文句で、早急に契約させてこようとする不動産会社は注意しましょう。
実例によると新人の営業担当はやらない手口ですが、年数を重ね決定権がある上の人ほど、そういった条件を出してくる場合が多いようです。
口もうまいため、簡単に契約してしまいそうになりますが、グッと堪え、一度持ち帰ってきちんと考えることをおすすめします。
本当にいい不動産会社は契約を急かしてくるようなことはしません。契約を急がせてくる不動産会社は要注意です。

安心できるポイント⑤ネットの口コミに誠心誠意返信している

SNSが発達した現代では、インターネットの口コミを参考にしている人も多いですよね。
インターネットの口コミは誰でも簡単に書き込むことができるため、その口コミだけで「いい不動産会社だ」と判断するのは難しいかもしれません。
しかし、不動産会社が「クチコミに返信しているかどうか」は大きなポイントです。
さらには一件一件のクチコミに対し、誠心誠意答えているようでしたら「SNSの力を信じ、真面目にお客様と向き合っている不動産会社」だと考えても良いでしょう。
全ての口コミが正しいとは限らないので、なかなか鵜呑みにすることもできませんが「安心できる」1つの材料として、注目してみてください。

注意したほうがいいポイント!広告にお金をかけすぎている会社は避ける

一概には言えませんが、ギラギラとした印象の派手な広告をよく目にする会社は、避けた方がいい傾向にあります。
広告費はバカになりません。
よく見る不動産会社は知名度も高く、一見安心感があるように感じますが、あまりにも派手な広告や、お金をかけすぎている印象を感じるのであれば避けるといいでしょう。
「どこよりも安くします!」「格安!」なんて謳い文句のある不動産会社は特に要注意です。
甘い言葉で惹きつけ、実は悪徳な不動産会社だった…というケースもあります。
不動産広告は特に厳しく、上記の「格安」等の言葉は使用してはいけない決まりになっています。
その言葉を裏付ける相当の理由がなければ掲載してはいけないのに、大々的に広告を出している不動産会社は危険です。
少しでも「怪しいな」「なんだか胡散臭いな」と思ったら、その不動産会社は候補から外しておくことをおすすめします。

まとめ

いい不動産会社を見分けるのは難しいですが、ポイントを押さえることで「悪い不動産会社」を避けることが可能です。
少しでも「おかしいな?」と思ったらその直感を大事にし、説明を求める、その会社をキャンセルするなどできる対応をしていきましょう。
そのほか同じ不動産会社でも、営業の担当者のやり方や言い方によって、トラブルが引き起こされてしまう場合もあります。
長く付き合うことになる営業担当の方とは、相性がいいか、なんでも話せて相談できるか、なども含め様子を見ておくといいかもしれません。
最近では法により買い手側を守ろうとする動きも見られますので、さらに安心して不動産を購入できる時代になってきています。
皆様が少しでも安心して不動産を購入することができるよう、お力添えできていましたら幸いです。
最後までご覧いただき、ありがとうございました。