不動産売買における仲介手数料の相場を徹底調査

  • 記事公開日:2020/06/26
  • 最終更新日:2021/09/01
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不動産会社を通して土地や建物を売買すれば、仲介手数料が発生することをご存知の方は多いと思います。ただし、不動産売買における仲介手数料の相場を知らない方も少なくなく、そうすると損をすることになってしまうかもしれません。

不動産売買の取引額によって、仲介手数料の金額を算出することができる計算式は存在しますが、あくまでもそれは不動産会社が取引相手に請求できる上限額です。

ここでは、不動産売買取引で不動産会社に支払われている仲介手数料の相場価格について、詳しく探って解説しています。

仲介手数料の意味や、支払額を抑える方法なども紹介しているので、不動産売買を控えている方はじっくり読んで取引の参考にしてください。

仲介手数料とは

仲介手数料とは、不動産売買を成立させた仲介業者である不動産会社に支払われる報酬のことです。賃貸契約を取りまとめたときにも仲介手数料は発生しますが、あくまでも契約を成立させた成功報酬です。

そのため、たとえ契約をまとめるためにどんなに営業活動に経費をかけても、わざわざ契約書を作成しても、結果を出せなければ仲介業務において不動産会社は利益を出すことができない仕組みとなっています。

仲介手数料には上限がある

宅地建物取引業法によって、仲介手数料には上限額が決められています。

仲介手数料の上限額は、不動産の物件価格によって変わり、下記がそれを導き出すための計算式です。

物件価格 仲介手数料の上限額
200万円以下の場合 売買金額の5%
200~400万円以下の場合 売買金額の4%+2万円
400万円を超える場合 売買金額の3%+6万円

この式に不動産の売買価格を当てはめれば、簡単に仲介手数料を算出することができますが、これはあくまでも上限値を知るための計算式で、実際に不動産会社に支払われる仲介手数料の金額とは異なるケースも多々あります。

ちなみに、この計算式から算出された以上の金額を、不動産会社が依頼者に請求することは違法行為となっています。

仲介手数料は売主・買主どちらが支払う?

仲介手数料は、不動産会社に仲介を依頼した人が支払うものです。したがって、不動産の売主にも買主にも、仲介手数料の支払い義務は発生します。

1つの不動産会社が売主と買主の両者の間に入って取引をまとめれば、上記で案内した仲介手数料の上限額をダブルでもらえる権利が発生します。

不動産売買においては、売主と買主を仲介する不動産会社が異なるケースもよくあります。

仲介手数料の相場は

不動産売買仲介手数料相場2

不動産会社が不動産売買契約を成立させた際に、依頼者に請求する仲介手数料の金額は、ほとんどの場合法律で定められた上限額となっています。この現状は、全国的に知名度が高い大手不動産会社でも、町の小さな不動産屋さんでも変わりはありません。

不動産会社は、契約を成立させるために宣伝広告費や営業マンなどの人件費を負担しています。簡単に契約がまとまる場合もありますが、そのために予期せぬ多額の経費がかかることもあります。

失敗すれば一円も回収できないことを考えると、上限額ギリギリで仲介手数料を請求することは当然の権利と、不動産会社サイドは主張するでしょう。

仲介手数料は協議の上で決めるもの

不動産会社の成功報酬である仲介手数料の上限額は、法律によって決められているわけですが、実は同じ宅地建物取引業法では、こうも定められています。

「依頼者と仲介契約を締結するときには、報酬の額を決定していなければならない」

つまり、仲介手数料の額は、仲介業務の内容をきちんと考慮して、依頼者と協議して決定しなければいけないということです。

仲介手数料は不動産会社が独断で決めるものではなく、仲介契約を交わす前に、依頼者にその額をしっかり周知させなければいけない注意喚起がなされているのです。

したがって、それがなされなかった場合は、依頼者は仲介手数料の額について不動産会社に問いただして、交渉する余地は十分にあるということです。

仲介手数料を抑える方法

仲介手数料を支払いたくないのであれば、直接不動産売買する相手を探せばいいわけですが、それは現実的ではありません。

多額なお金が動く不動産売買では、契約に関するトラブルも多く、銀行から融資を受けにくくなるリスクもあります。個人間できちんとした売買契約を交わすことは、難しいのが現実です。

ただし、不動産会社に仲介してもらっても、仲介手数料を安くしたり、無料にすることが可能な場合もあります。

交渉する

前項に記載した通りに、仲介手数料には上限額は定められていますが、下限は決められていません。依頼者と不動産会社が協議をして、その額を決めなければいけないことから、交渉次第では、仲介手数料を上限額より低い金額にしてもらうことはそれほど難しいことではありません。

交渉テクニックとしては、他社と競合させる他にも、敢えて専任契約を選択するという方法も効果的です。専任契約を交わせば、他社には依頼できなくなるデメリットはありますが、不動産会社からすれば、一方からもらえる仲介手数料が確定するため、営業に力を入れてもらえるメリットも生まれます。

仲介手数料を安くしている不動産会社を見つける

仲介手数料を抑える最も簡単で効果的な方法は、はじめから仲介手数料の割引や無料を謳っている不動産会社を見つけて依頼することです。

値引きなどの交渉事が苦手な方も少なくないようなので、この方法を用いれば誰でも仲介手数料の負担を抑えることができます。

仲介手数料無料の不動産会社が増えている理由

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不動産会社も商売をしているので、唯一の収入源である仲介手数料を無料にすることはできませんが、売主と買主の両方から手数料を受け取ることが確定している場合は、一方を無料にすることは可能です。

全国には数多くの不動産会社がありますが、実は地方では現在でも仲介手数料を上限額でしっかり徴収している傾向にありますが、東京などの都市部では、敢えて仲介手数料を無料にする会社が増えています。

その理由は、都会ほど競合他社が多いからです。田舎で周りに他の不動産会社がないような環境にあれば、わざわざ利益を減らす必要はありませんが、周辺にたくさんの店舗が軒を連ねている状況だと、お客さんを獲得するためにいろいろな企業努力を試みなければいけません。

お客さんにとって、数十万、数百万円の費用を削減できることは、物件価格の値上げや値下げと同等、もしくはそれ以上のメリットがあります。競合がひしめいている地域ほど、仲介手数料を無料にできる可能性は高くなります。

仲介業者を選ぶときには、できるだけ多くの不動産会社の情報を集めて、物件価格の他にも仲介手数料を比較することをおすすめします。

まとめ

不動産売買を仲介する不動産会社の多くが、宅地建物取引業法で決められた上限額で仲介手数料を請求しているのが現状です。ただし、依頼者と不動産会社が仲介契約を締結するときには、双方で協議して仲介手数料を決定しなければいけないことも、法にはきちんと定められています。

もちろん、仲介手数料を上限額で請求することは違法ではないため、利益を追求するために不動産会社がそうすることは当たり前なのですが、最近では仲介手数料を敢えて無料にするところも増えています。

たとえ上限額で請求されても、不動産会社との交渉次第で仲介手数料を安くすることも可能ですし、はじめから仲介手数料無料の不動産会社を見つけて取引すれば、仲介手数料を抑えることは十分に可能となっています。