不動産売却の前にやっておくべき3つのこと

  • 記事公開日:2018/02/04
  • 最終更新日:2020/01/30

家を買う経験も売る経験も、人生の中ではそう何度もありません。わからないことだらけで手続きを始める方が多いでしょうが、不動産業者に全て任せるのではなくある程度自分で準備をしておいた方が、手続きもスムースですし、今どこまで進んで何をやってもらっている状態なのか、業者や買い主の状況も把握しやすくなります。売却前に具体的にやっておくべきことを三つ紹介したいと思います。

売り出し価格はいくらに設定するのかを決めておく

まずは自分で、いくらくらいで売り出したいのか予め金額を設定しておきましょう。先程も説明しましたが、物件には適正価格があります。あまりに不当な金額を設定しても意味がありませんので、物件の相場に近い金額を付ける必要があります。そのためには先程の説明の通り、できる範囲で自分で適正価格を調べなければいけません。地価公示価格、地価調査価格を確認したり、近隣の売却状況を見ることで参考になるはずです。購入時の金額や築年数なども考慮しながら、自分の希望価格を決めておきましょう。

もちろん、後に不動産業者などの専門家に査定してもらうので、自分の希望通りの結果になるとは限りません。しかし、自分で調べて根拠のある金額を最初に提示しておいた方が有利になります。例えば「売り出し価格はいくらでもいいです」、と最初から調べもせずに不動産業者に伝えてしまったら、あまり熱心ではない不動産業者なら業者にとって都合のいい金額しか提示してこないと思います。自分の希望の価格があって、それなりに勉強をして設定してきたという姿勢が伝われば、ごまかしの効かない客だということを認識してもらえますし、正当なやり方で査定してもらえるはずです。

どちらにしても、不動産を売却するということは何かしらの理由があるはずです。急な資金が必要になったり、利益を得たいという理由を持って決断した人は多いと思います。それであればきちんと希望の金額は伝えなくてはいけません。そこからどう動いてくれるか、業者の質も見えてきます。希望額を明確にすることで資金計画や、新しい生活への計画も立てやすくなります。今は無料で査定をしてくれる業者も増えていますので、一社に留まらす数社に査定だけ依頼してみることもおすすめです。

きちんと立てておきたい、売却スケジュール

自分の家がいつ売れるのかは、買い手次第なので正直なところはっきりとした時期は分かりません。ですが、ある程度のスケジュール、段取りを組んでおくことは大切です。スケジュールも手続きの流れも把握せずに、すべて業者へ任せきりにしていると、今何の手続きをしているのかが把握できません。しばらく連絡がないので連絡をしてみたくても、どの段階まで進んでいるかが分からないために何を質問していいか分からないし、遠慮をしてしまいがちになります。不動産は大切な財産です。売却手続きの流れを把握しておくことは、自分の家がいまどういう状況になっているかを把握することです。スケジュールや手続きの流れについては事前に担当者へ確認しておきましょう。特に売却を急いでいる方はこまめに担当者と連絡を取る必要がありますし、自分から積極的に督促をする場面も出てくるでしょう。担当者はひとつの物件だけを扱っているわけではないので、時には疎かにされてしまうかもしれません。だいたいいつ頃までに売りたいのか、時期を伝えておくことも必要です。

また、これは金額等を査定してもらう前にし準備しておくべきことですが、少しでも良い条件で買ってもらうために、物件をキレイにしておくことも大切です。家は住んでいれば古くなりますし、どこかしら傷んでくるのは仕方のないことです。ですが、諦めて汚い状態のままで査定してもらうよりも、少しでもキレイに掃除をしたり、補修をした後の方が査定額は上がるはずです。また、内見をして購入を決める人も多くいます。第一印象は大切です。内見の段階で少しでも良い印象を持ってもらえるように、出来る限りのことをしておくべきです。壁や床の目立つ汚れや障子の破れなど、自分でキレイに直せるところは直しておきましょう。

経費の見積りも忘れずに行っておこう

売却する立場でも諸経費は掛かります。売って利益が出るだけではなく、手続きを代理でしてもらった報酬などが発生することを把握しておきましょう。売却時に掛かる不動産費用は次の通りです。まずは売買契約書に貼る収入印紙代です。こちらは物件価格によって金額が異なります。そして不動産業者へ払う仲介手数料です。こちらは何度か説明しているので省きますがひとつだけ注意が必要です。購入する側であれば、不動産会社によっては仲介手数料を割り引いたり、無料にするなどのサービスがありますが、売り主側が同じサービスを受けられるは低いという点です。そして登記上の所有者変更、抵当権抹消等の手続きで掛かる登録免許税という税金、代理で手続きを行ってくれた司法書士へ支払う事務手数料も発生します。登録免許税は不動産の価格を標準にした計算式で算出されます。司法書士への手数料は事務所等により異なります。また、建物や土地を売った年の確定申告時に支払う譲渡所得税という税金も忘れないでください。以上が主な経費です。それぞれがいくらくらいになるのか、予め業者に見積もりを作ってもらうと後々便利です。

不動産売却時には、物件の売上金をそのまま利益として得られるのはなく、手数料や税金関連など、諸々の経費が掛かることを頭に入れておく必要があるため、見積もりにして金額にすることは重要です。たまに、今住んでいる住宅のローンが残ったままで売却する方がいます。ローンが残っている場合は売上金からローン返済に充てるのが一般的だと思いますが、経費を見積もりに入れていなかったためにローンを全額返済できなかったというケースもあります。ローン返済が残っている方は特に要注意です。

まとめ

家を売るという行為は思った以上に労力を使いますし、思った以上に周りの人の力を借りてやっと成り立つものです。思うように売れないかもしれませんし、何らかのトラブルが起こることもよくあります。様々な場面で動揺しないように、できる限りの事前準備と知識を身に付けておきましょう。それがスムーズに取引をする近道に繋がります。