マンションやアパートの部屋を借りるときには、家賃以外にも敷金や礼金などの様々な費用が必要になりますが、初期費用はできるだけ抑えたいというのが、多くの方の願いだと思います。
ここでは、初期費用のひとつである仲介手数料に注目して、気になるその相場や仲介手数料を安くできるかについて詳しく調査しご紹介します。
これから賃貸物件探しをする方には、ためになる情報が満載なので、是非参考にしてください。
仲介手数料って何なの
仲介手数料の相場やそれを安くできるかを紹介する前に、まずは仲介手数料がどのような費用なのかについて説明します。
不動産に支払う対価が仲介手数料
賃貸物件を探すには、住みたい地域を自分の足で回るという手段もありますが、遠方へ引っ越しする場合や、仕事が忙しくてなかなか時間がとれない方には、かなりハードルが高い方法となります。
そのため、部屋を借りるほとんどの方が、ネットなどを利用して物件探しを行い、仲介業者である不動産会社を頼って賃貸契約を交わしています。
賃貸契約を結ぶ前には、部屋の中や契約内容を詳しく確認しなければいけませんが、大家さんとの間に入っての物件案内、交渉や契約手続きのお手伝いをするのが不動産会社の役割です。
物件の案内や契約条件の確認作業や交渉の他、重要事項の説明や契約の締結まで、賃貸契約取引を成立させてくれた対価として不動産会社に支払う費用が「仲介手数料」です。
仲介手数料の上限は家賃の1ヶ月分
部屋探しをしている方のために、不動産会社は手間暇かけて物件の案内を行い、また大家さんとの間に入って交渉のお手伝いなどを行いますが、契約を成立させない限りは、基本的に借主から利益を得ることができません。
それなら、仲介手数料の金額はさぞかし高額になるのでは?と心配される方もおられるかもしれませんが、「宅地建物取引業法」という法律によって、仲介手数料は家賃の1ヶ月分が上限と決められています。
賃貸物件の仲介手数料の相場
宅地建物取引業法によって、賃貸契約において不動産会社が受け取ることができる仲介手数料は「家賃の1ヶ月分が上限」ですが、貸主と借主それぞれから受け取る仲介手数料は、賃料の半月分以内とも定められています。
つまり、仲介手数料の相場は家賃の0.5~1ヶ月が目安となっていて、それに消費税をプラスした金額を借主が支払うことになります。
下記は消費税10%の場合の仲介手数料の一覧表です。
家賃 | 0.5ヶ月分の場合 | 1ヶ月分の場合 |
30,000円 | 165,00円 | 33,000円 |
40,000円 | 22,000円 | 44,000円 |
50,000円 | 275,00円 | 55,000円 |
60,000円 | 33,000円 | 66,000円 |
70,000円 | 38,500円 | 77,000円 |
80,000円 | 44,000円 | 88,000円 |
90,000円 | 49,500円 | 99,000円 |
100,000円 | 55,000円 | 110,000円 |
150,000円 | 82,500円 | 165,000円 |
200,000円 | 110,000円 | 220,000円 |
250,000円 | 137,500円 | 275,000円 |
300,000円 | 165,000円 | 330,000円 |
賃貸契約に必要な初期費用は家賃の4.5~5ヶ月分
賃貸物件の仲介手数料の相場は、家賃の0.5~1ヶ月が目安とされていますが、実はほとんどの不動産会社では家賃の1ヶ月分を借主に請求するように定めています。近頃では、他社との競争に勝ち抜くために、「仲介手数料半額!」と謳って顧客獲得を目指す業者も増えてはいますが、いずれにしても仲介手数料は部屋の借主にとっては大きな負担です。
賃貸物件を借りる際にかかる費用は、家賃の4.5~5ヶ月分にもなるといわれていて、下記は仲介手数料以外にかかる初期費用をまとめたものです。
敷金 | 部屋を退去するときの原状回復費用に充てられる費用で、家賃の1ヶ月分が目安となっています。 |
礼金 | 大家さんへのお礼の意味を込めて支払う費用で、家賃の1ヶ月分が目安です。敷金は退去時に戻ってきますが、礼金は返還されません。 |
前家賃 | 入居する月の家賃の前払い分です。家賃の1ヶ月分が目安で、月の途中から入居する場合は、日割りで計算して支払います。 |
保証料 | 連帯保証人がいれば不要な場合もありますが、最近では保証会社を強制的に利用することを義務付けている物件が多く、家賃+共益費の0.5ヶ月分が目安となっています。 |
火災保険料 | 火災や水漏れトラブルなどの備える保険で、シングルで1.5万円程度、ファミリーで2万円程度が相場となっています。 |
その他の費用 | 引越し費用の他に、鍵の交換費用、清掃費用、害虫駆除費用が発生する場合があります。 |
仲介手数料が無料になるケース
仲介手数料は賃貸物件の借主にとっては大きな負担でありますが、仲介業者である不動産会社にとっては唯一の収入源にもなることから、上限ギリギリで請求する業者がほとんどです。ただし、場合によっては仲介手数料を無料にすることができます。
大家さんと直接契約
不動産会社を利用しないで大家さんと直接契約できれば、仲介手数料はかかりません。そのためには、手間暇かけて自力で物件探しを行う必要がありますが、最近では大家さんと直接交渉できるサイトも用意されています。
ただし、物件数は極端に少ないので、希望を満たすお部屋を見つけることは、現実的にはかなり難しいかもしれません。
不動産会社が所有する物件を探す
不動産会社を利用しても、物件のオーナーが不動産会社自身であれば、仲介手数料を無料にできる場合があります。
また、不動産会社が仲介業務だけを行う場合は、仲介手数料しか利益を得る手段はありませんが、自社物件や管理物件だとそれ以外にも収入源があることから、仲介手数料を無料にすることはできないとしても、値引き交渉を成功させられる可能性は高くなります。
大家さんが仲介手数料を負担する場合
仲介手数料の上限である家賃の1ヶ月分を丸々大家さんに負担してもらえる場合は、仲介手数料を支払う必要はありません。
長い間空き室になっていたり、空き室が目立っている物件にはその可能性が高く、不動産情報サイトで検索する際に「仲介手数料無料物件」を絞って探せば、希望に合った物件が見つかるかもしれません。
仲介手数料を抑える方法
実際には多くの不動産会社が、仲介手数料を法律で定められた上限である家賃の1ヶ月分で請求しています。ただし、あらかじめ半額や無料の会社を選択すれば、借主の負担を大幅に軽減させることができますし、交渉次第で仲介手数料を抑えることも可能です。
閑散期を狙って交渉する
人気のある物件の仲介手数料を、不動産の繁忙期である春先などに安くするようにお願いしても、それを受け入れてもらえる確率は極めて低いですが、閑散期を狙えば交渉成功の可能性を高めることができます。
不動産業界では、7~8月は閑散期となっていて、その時期には早急に入居者を見つけたい大家さんが溢れています。
繁忙期には、人気があって交渉の余地がない物件でも、この時期を狙って物件探しを行えば、仲介手数料以外にも、理想の物件にその他の初期費用も安く抑えて入居できるかもしれません。
家賃の低い物件を選ぶ
交渉が苦手な方もたくさんおられると思いますが、賃貸物件の仲介手数料には上限が定められていることから、そもそも家賃の安い物件を選ぶことで、仲介手数料を低く抑えることができます。
まとめ
仲介手数料とは、部屋探しを手伝ってくれた仲介業者である不動産会社に支払う対価であり、その額の上限は家賃の1ヶ月分までと法律によって決められています。
賃貸物件の仲介手数料の相場は、家賃の0.5~1ヶ月が目安ですが、実際にはほとんど不動産会社が家賃の1ヶ月分を借主に請求するように定めています。ただし、最近では入居者獲得のために仲介手数料を0.5ヶ月分にしている不動産会社も増えています。
仲介手数料を抑えたい場合は、不動産会社を通さないで大家さんから直接部屋を借りるか、不動産会社を利用した場合でも、不動産会社自体が建物のオーナーである場合は、仲介手数料を無料にすることができます。
仲介手数料を無料にはできなくても、賃貸物件があまり動かない7~8月などの閑散期を狙って交渉したり、家賃の低い物件を選ぶことにより、仲介手数料の金額を安くすることは可能です。