東京の不動産会社で提示された仲介手数料に不審な点があった時の対策

  • 記事公開日:2018/04/19
  • 最終更新日:2020/01/30

国内で不動産会社が一番多い都道府県は圧倒的に東京が群を抜いています。それだけ不動産流通が東京では盛んだということです。
しかし、すべての業者が良い会社であるとは限りません。中には悪質な会社が潜んでいるかもしれません。

良い業者かそうでない業者かを見極めるためにはどうすればいいのでしょうか。仲介手数料無料にしている不動産会社が増えていますが、他にも見極めるポイントとなるものはあるのか、それぞれ紹介していきたいと思います。

仲介手数料から怪しい不動産会社を見極める方法はあるか

不動産の取引には、まず仲介手数料をチェックしなければいけません。

仲介手数料とは、不動産売買と賃貸契約のどちらにも適用されるものです。それぞれの契約が無事に完了した時に、成功報酬として不動産業者へ支払います。最近では、仲介手数料無料というアピール方法で他社と差を付けている業者も増えているようです。確かに無料と聞くと人は飛びついてしまうものです。しかし、それが本当に良い会社としての判断材料になるのでしょうか。

まずは仲介手数料について正しく知る必要があります。不動産取引には、素人だけでは分かりづらい点が多々あり、スムーズに契約に至るまでには専門家の知識を必要とする場面が多く出てきます。それらを仲介しサポートしてくれるのが不動産業者です。先程も申しましたが、仲介手数料は不動産業者へ支払う成功報酬です。物件を紹介してくれて、無事に契約までできたことに対する謝礼金のようなものです。そして、仲介手数料は必ず支払うという義務や法律はありません。国で定めているのは上限額だけです。決まった計算式に基づいた金額より上回って徴収してはいけない、ということだけが法律で決まっていますが、あとはそれ以下の金額だろうと無料であろうと違法ではないのです。

ほぼ不動産業者内で決めていい仲介手数料は、その業者の質を見極めるには大きなポイントとなりそうです。きっちり請求すればそのまま会社の利益となるのですから、無料にすることで業者に生まれるメリットは何もありません。無料であるということは、その分何らかの経費を削っていたりと苦労をしているはずなのです。それでも無料で提供してくれる会社であれば、良い会社であるとほぼ言えるでしょう。

高額な仲介手数料を請求された時はどうする?

では逆に、高額な仲介手数料を請求された場合はどうすればいいのでしょうか。先程も説明した通り、仲介手数料には上限額があり、その金額を算出するための計算式があります。売買価格に対して税率を掛け、消費税をプラスします。価格に掛ける税率は、売買価格がいくらになるかで変わってきます。

思っていたよりも高額だな、と感じる場合は自分で一度計算してみることをおすすめします。計算式や税率の一覧は、インターネットで検索すればすぐ出てきますので誰でも計算することは可能です。もし、算出された金額よりも高い金額を請求されている場合は違法ですので、遠慮せずに申し出ましょう。その金額は支払う必要がありません。たまに、素人であれば分からないだろうという前提で、高額な手数料を提示してくる業者があります。知識を身に付けておくことで回避できますので、仲介手数料については予め勉強しておいた方が身のためでしょう。
仲介手数料以外にも、業者の質を見極めるポイントはいくつかあります。

例えば、やたらと契約を急かしてくるような業者、営業マンは避けた方がいいでしょう。不動産は人生の中で最も高額な買い物です。高額であると同時に、住居スペースというものは生活の基盤となる場所になるのです。その場所を買うのですから、じっくりと何件も見て自分に合うところを見つけるのが通常の流れです。それを、他の物件も紹介してくれずにやたらとひとつの物件だけを押してくるような業者は、何らかの理由があると思っていいでしょう。自分の営業成績や会社の利益のためか、その物件を早く売らなければいけないという業者側の理由があるはずです。大切な物件を見つけるのに業者の都合は関係ありません。

また、手付金や申込金の詐欺も増えてきています。どんなに小さくてもお金を支払う際は注意する必要があります。

借主を陥れる悪しき不動産取引「両手取引」とは

「両手取引」という不動産用語を聞いたことはあるでしょうか。不動産を取引するには、物件を売りたい、または貸したいという人がいて、物件を買いたい、借りたい人がいて、双方が合意して初めて成り立つものです。その中間に立って仲介業務を行うのが不動産業者になりますが、その売主側と買主側の両方から仲介手数料を徴収する方法を「両手取引」と呼んでいるのです。

業者にとっては、両者から手数料が入る分利益が上がるため、この両手取引は嬉しい取引だと言えるでしょう。ですが、この両手取引自体は違法でも何でもありません。両手取引をしているからと言って悪質な業者であるとは言い切れないのです。そもそも両手取引は、買主と売主の間に入ることで業務量も倍になることから、相当の報酬として仲介手数料も倍もらうという仕組みを取っているので、相応しい取引方法であることには違いないのです。もともと不動産業者側で所有している物件であれば買主との取引だけで済みますが、まだ所有者がいる物件を扱うのですから、売主と買主の両方と取引しなければならず、やはり大変な業務量になることは目に見えています。

悪質なのは両手取引自体ではなく、報酬が多くなるという点だけに重点を置いている業者のことです。多くの報酬を得たいがために、早く契約を済まそうと持ちかけてきたり、他の物件は見せてくれなかったり、とにかく契約させるためにあの手この手を考えてくる業者はたくさんいます。もし、接客態度や説明の内容で違和感があったり納得がいかないことがあれば、この取引は両手取引なのでは?と疑ってみましょう。あまりにも理不尽な理由で契約を急がれたりした場合は、一言「両手取引だからですか?」と投げかけてみるのもひとつの手です。

まとめ

東京には不動産業者に関わらず、数多くのお店、業種、会社が存在します。選択肢が多いことは幸せなことではありますが、その分消費者側にもそれなりの知識や教養が必要になってくるのです。不動産に関しても同様です。特に高い買い物なのですから、仲介手数料無料にできるからくりや両手取引の仕組み、仲介手数料の計算方法などは自ら勉強しておくことをおすすめします。