知っておけば安心!良い不動産会社の選び方!

  • 記事公開日:2020/05/29
  • 最終更新日:2022/08/31
賃貸仲介1

不動産の売買や賃貸を検討する際、たいていの方が悩むのが不動産業者の選び方です。

不動産業者は業界内で差別化が進んでおり、どこに頼んでも同じというわけではありません。

この記事では、大手不動産業者と地元の不動産業者のメリット・デメリットを挙げて比較した上で、不動産会社のウェブサイトの内容、店舗の様子、担当者の対応、仲介手数料の額という4つのポイントに分けて不動産業者の選び方を詳しくご説明します。

不動産業者は慎重に選ぼう

不動産の売買・賃貸を検討する際、以前はまず不動産業者に相談するのが王道でした。

最近では、大手不動産ポータルサイトを利用する方が増えています。

不動産ポータルサイトには、複数の不動産業者が様々な物件を掲載しており、一度に数多くの物件を検索することができて便利です。

不動産ポータルサイトで物件を探し、気に入った物件を見つけてから、物件情報を掲載している不動産業者に連絡するというケースが多いのですが、物件情報を掲載している不動産業者以外の業者に頼むことはできるのでしょうか。

実は、不動産業者は選ぶことができます。

不動産業者は、「レインズ(REINS)」(※)という情報共有システムを通じて、物件情報を共有しています。

物件情報を掲載している不動産業者でなくても、当該物件の仲介を依頼することができるのです。
※レインズ (REINS)は「Real Estate Information Network System」(不動産流通標準情報システム)の略。

レインズの会員となっている不動産業者が、顧客である売手の売却物件を登録・公開したり、買手の希望にあった物件を探したりすることができるシステムです。

物件情報を共有しているといっても、不動産業者や営業担当によって得意な物件やエリアがあり、仲介サービスの質や仲介手数料の費用は異なります。

そこで重要になってくるのが、不動産業者選びです。

気になるところは、大手不動産業者と地元の不動産業者のどちらがいいのかという点ではないでしょうか。

この記事ではまず、全国に支店を持つ大手不動産業者と地元の不動産業者それぞれのメリット・デメリットを挙げ、次に不動産業者の具体的な選び方のポイントを解説します。

大手不動産業者と地元の不動産業者どちらがいい?

テレビCMでもおなじみの大手不動産業者と、地域密着型の地元の不動産業者には、どちらにもメリット・デメリットがあります。

不動産売買・賃貸を検討する際に、どのような点を重視するかにより決めると良いでしょう。

大手不動産業者のメリット・デメリット

大手不動産業者には、各都市に支店を持つ会社と、フランチャイズ経営の会社があります。

フランチャイズ経営とは、フランチャイズ本部の会社と契約した加盟店が経営し、本部に加盟金を支払う形態の経営を言います。

大手不動産業者のメリット

大手不動産業者の最大のメリットは、取り扱う物件数の多さです。

大手不動産業者は全国に支店があり営業力も高いことから、広いエリアの多くの物件を扱うことが可能です。

売主や貸主にとっては、買主・借主を見つける機会が広まりますし、買主・借主にとっては、たくさんの物件の中から選ぶことができます。

仲介手数料その他の費用が明瞭なところも良い点です。

不動産業者の支店間で差がなく一律で決められていたり、ウェブサイトなどに明示されていたりすることが多いので、安心して依頼することができます。

「キャッシュバック」や「フリーレント」などのお得なキャンペーンを行っていることがあるのも大手不動産業者ならではです。

また、大手不動産業者は仲介サービスの質が安定していることもメリットの一つです。

接客マニュアルがあり、社内教育もきちんと行われていることが多く、営業担当によるサービスの質の差が比較的小さいといえます。

大手不動産業者のデメリット

では大手不動産業者のデメリットは何でしょうか。

不動産業者の支店には、東京などの本社から地方の支店へ駐在している営業担当もいます。

営業担当がその地域に赴任したばかりだったりすると、地域の状況に詳しくない場合があります。

地域に深く根差していない支店の場合、地主さんや大家さんとあまりつきあいがないこともあります。

そのような場合は、物件の詳しい情報まで把握しておらず、売買価格や家賃の値下げ要求をしづらいという点や、売主・貸主にとっては、地域をよく知らない営業担当に任せても物件の良さを効果的にアピールしてもらえないという可能性があります。

また、大手不動産業者はサービスの質が比較的安定していることをメリットの一つに挙げましたが、フランチャイズの不動産業者の場合は、加盟店ごとにサービスの質に差があるケースもあります。

大手不動産業者の場合でも、ある支店では顧客対応が素晴らしかったのに、他の支店では期待していたようなサービスを受けられなかったということもあり得ます。

地元の不動産業者のメリット・デメリット

地元の不動産業者には、地元密着型の単独店舗型業者と、中小規模で特定地域にいくつかの支店を持つ会社があります。

地元の不動産業者のメリット

地域密着型の不動産業者のメリットは、エリアの口コミ評価、騒音、周辺開発計画、学区の評判など、住むに当たって重要となる地域の実情に詳しいことです。

不動産は周辺環境が何より大事なので、売主・貸主にとっても、買主・借主にとっても、不動産業者がエリアの情報に詳しいことは有利に働きます。

大家さんや物件を多数保有する地主さんと長い付き合いがあることが多いことも、地元の不動産業者のメリットです。

長年地域に根差して営業していることから、まだ表に出てきていない掘り出し物件情報を持っていることもありますし、価格や家賃の値下げ交渉をしやすいというメリットがあります。

地元の不動産業者のデメリット

一方、地元の不動産業者のデメリットは、限られたエリアだけに詳しくてその他の地域に詳しくない可能性がある点です。

たとえば、当初検討していたエリアで気に入った物件がなかった場合、エリアを広げて物件を探すことはよくあることです。

しかし、不動産業者が別のエリアに詳しくなければ、あまり相談に乗ってもらえないという事態も起こり得ます。

地元密着型でインターネットをあまり活用しない不動産業者だった場合、広く買手・借手を募ることができず、売主・貸主にとっても不利に働きます。

また、買手や借手にとって、物件の売主や大家さんと懇意にしている不動産業者が売手や貸手側の希望だけを優先してしまうこともデメリットのひとつです。

たとえば、値下げ交渉を熱心にしてくれなかったり、物件の悪い点を開示せず契約を急いだりといったことが考えられます。

不動産業者を選ぶ時に注目すべきポイント

ここまで大手不動産業者と地元の不動産業者のメリット・デメリットをご説明しました。

次に、個々の不動産業者を選ぶ際は具体的にどのような点に注目すればいいのか、不動産業者の選び方のポイントを4つに分けてご説明します。

不動産業者の選び方のポイント① - 不動産会社のウェブサイト

現在は多くの不動産業者がウェブサイトを持っています。

不動産業者の店舗を直接訪問する前に、ウェブサイトで下調べをすることは欠かせません。

不動産業者のウェブサイトを見る際は、まず大げさな謳い文句がないかチェックしましょう。

たとえば、「〇〇県で一番!」や「優良物件数No.1」と言った謳い文句は、根拠とするデータがあいまいなことが多いです。

このような極端な宣伝文句があるかどうかは、信頼できる不動産業者かどうかを見分けるポイントの一つとなります。

次に、不動産業者が得意とする物件の種類やエリアをチェックします。

「〇〇エリアに強い」などの文言や、ウェブサイトに掲載された物件を見れば、概ねどのエリアのどんな物件種別に強いか分かります。

また扱っている物件は売買物件が多いのか、賃貸物件が多いのか、商業物件が多いのか住宅物件が多いのかなども確認しましょう。

「おとり物件」がないかも要確認です。

不動産業者の中には、誰もが注目するような条件のいい「おとり物件」で客寄せし、「その物件は成約済みです」と言って他の物件を紹介する業者も残念ながら存在します。

そのような業者は規制が厳しくなったことから昔より数は減っていますが、念のため確認することが重要です。

好条件すぎる物件の広告、たとえば優良物件なのに相場よりも大幅に家賃が安かったり、優れた立地なのに格安の価格だったりする物件広告は要注意です。

もし同じ物件が他の不動産業者のウェブサイトや大手不動産ポータルサイトには掲載されていなければ、おとり物件の可能性があります。

不動産業者の会社概要も確認しましょう。

多くの不動産業者のウェブサイトには、次のような宅地建物取引業の免許が書いてあります。
「〇〇県知事(3) 第〇〇〇〇〇号」
「国土交通大臣(2) 第〇〇〇〇〇号」

括弧の中の数字に注目しましょう。

宅地建物取引業者は5年ごとに更新が必要です。

括弧の中が「2」であれば1回更新して5年以上営業しており、「3」であれば2回更新して10年以上営業しています。

営業年数が長ければ良いというわけではありませんが、信頼度の1つの目安になります。

次に、「宅建士の数」をチェックします。

宅建士の数が法定人数よりも多ければ、不動産や物件に詳しい社員が多いことが推測できます。

さらにファイナンシャルプランナーや建築士など宅建以外の資格保有者もいれば、不動産だけでなく、住宅ローンや建物自体により詳しい社員がいるので、トータルで相談することができます。

不動産業者に宅地建物取引業者の免許を交付した行政庁(国土交通省または都道府県)に行くと、不動産業者の「行政処分歴」の有無が確認できます。

行政処分歴がなければ良い業者とは限りませんし、逆もしかりですが、確認しておくに越したことはありません。

なお、賃貸物件を探している場合や家を貸したい大家さんは、不動産業者が仲介業務だけでなく賃貸物件の管理業務も兼ねているかを確認すべきです。

大家さんは仲介だけでなく管理も任せられるかもしれませんし、借りたい人にとっては、不動産業者が自社で管理している物件であれば物件や入居者属性に詳しいですし、入居後も気軽に相談できます。

ただし、自社管理物件の空室を早く埋めたいがために、他にも良い物件があるのに自社管理物件だけを勧めてくる可能性もあるのでその点は注意しましょう。

不動産業者の選び方のポイント② - 不動産会社の店舗の様子

ウェブサイトでいくら詳しく調べても、実際に店舗を訪れないと分からないこともあります。

店舗に行った時にまずチェックすべきポイントとして、本来敷地内に置くべき看板を歩道などの路上に置いていないかどうかといった点です。

これは法律違反に当たるため、信頼できるとは言えません。

次に、店舗が清潔で整頓されているかを確認しましょう。

雑然としていたり掃除が行き届いていなかったりする店舗もありますが、本来お客さんを迎える場所なので、きれいに整えられていることが大前提です。

店舗内にお客さんがいるかどうかも見ておきましょう。

自分以外にお客さんが来ているまたは電話応対している気配がない場合、仲介業務ではなく不動産投資など他の業務がメインの会社で、一般のお客様の接客に慣れていない場合もあるためです。

店舗に張り出しているチラシの物件のエリア、物件の種類、価格帯などもチェックしましょう。

自分が探しているエリアにある物件や予算内の物件を扱っている不動産業者ならいいですが、予算外の高級物件ばかりを取り扱う不動産業者の場合は、別の業者を探した方が良いでしょう。

不動産業者の選び方のポイント③ - 不動産会社の担当者の対応

不動産業者の担当者の対応も注意して見ておきましょう。

同じ不動産業者の中でも、担当者によって不動産に関する知識やサービスの質に差があります。

営業担当の身だしなみが整っているか、レスポンスが早いかどうかを確認しましょう。

店舗で、もしくは後日電話やeメールなどで質問をした時になかなか返事が返ってこないと、気になっていた物件を他の人が契約してしまったという事態にもなりかねません。

不動産業者の中にはeメールなどに慣れておらず主に電話で対応しているところもありますが、自分が仕事中などで電話に出られない時間帯がある場合は注意しましょう。

営業担当が親身に対応してくれるかどうかも重要です。

希望条件をじっくり聞いてくれる、契約を急かさず希望に合う物件を根気強く探してくれる、伝えた予算の範囲内で物件を探してくれるかがチェックポイントです。

また、予算内でかつパーフェクトな物件はほぼないため、物件のマイナス面もきちんと伝えてくれる方が誠実な対応と言えます。

営業担当がエリアに詳しく不動産知識が豊富かどうかも重要です。

不動産取引は専門的知識が必要とされるため、不動産のプロである不動産業者による仲介が必要です。

営業担当が不動産やエリアに詳しくなければ満足なサービスは受けられません。エリアや物件に関して質問をした時にすぐに答えてくれるか、などに注目しましょう。

不動産業者の選び方のポイント④ - 仲介手数料の額

最後に、仲介手数料の額を確認しましょう。

仲介手数料はどの不動産業者に頼んでも同じ、と思われている方も多いかもしれません。

少し前までは、どの不動産業者も法定の上限額(※)を請求することがほとんどでした。
※売買の場合は「物件価格の3% + 消費税」、賃貸の場合は(借主・貸主合わせて)「家賃の1ヶ月分 + 消費税」

しかし、最近ではインターネットの普及や業務の効率化により不動産業者の差別化が進み、仲介手数料を割引または無料にしてくれる不動産業者も存在します。

ただ、そのような不動産業者でもすべての物件の仲介手数料を割引・無料にしてくれるわけではないので、以下のような「仲介手数料が割引または無料になる条件」を確認しておきましょう。

  • 売主または貸主から仲介手数料を受け取れる物件や「広告費」という名目で料金を受け取っている物件
  • 不動産業者が自社で建築した物件または保有している物件

賃貸の場合、仲介手数料が割引または無料でも、「クリーニング代」や「消臭」など仲介手数料以外の名目で請求される場合もあるので、こちらも確認します。

特に説明がなければ自動的に払ってしまいそうになりますが、実は任意の項目で断ることもできた、ということもあるからです。

また、「敷金」や「礼金」が相場より高かったり、家賃が高かったりする場合もあるので、トータルの初期費用を比較して不動産業者を選びましょう。

仲介手数料を払いたくないという人に向けて詳しく解説した記事がございますので、是非ご覧ください。

仲介手数料無料のおすすめ不動産会社についても解説しております。

事前調査をして自分に合う不動産業者を見つけよう

この記事では、大手不動産業者と地元不動産業者それぞれのメリット・デメリット、不動産業者の選び方を4つのポイントに分けてご説明しました。

  • 不動産業者のウェブサイト
  • 不動産業者の店舗の様子
  • 不動産業者の担当者の対応
  • 仲介手数料の額

不動産業者を選ぶ際はいきなり店舗を訪れず、まずはウェブサイトでしっかり事前調査し、比較検討することが大切です。

不動産業者の店舗に行く際は、物件の希望条件や許容できる価格・家賃などを整理してから行った方が、不動産業者を冷静に選ぶことができます。

満足のいく不動産取引をするには、良い不動産業者を選ぶことが不可欠です。